布団を頭まで被って
目を瞑るぎゅうっと
夜が連れてきたのは
誰かが放った言葉と
帰り際見せた表情と
ざぶうんざぶうんと
静かな波音のように
足元を濡らした少し
答えの出ない問いは
ざぶうんざぶうんと
何かを探してる月は
きっと見ている夜の
海に溶けているまま
気まぐれな雨は優しく
音が降る心に沁み入る
見上げている空は青く
泣き顔を隠している雲
虹を探す光り射す方へ
ふわりと香る記憶の扉
忘れないよ言葉の欠片
呼吸するようにずっと
『どんなに離れていても』
スクランブル交差点
行き交う人の濁流に
見つかるわけないと
諦めないで心の中で
呼びかける呼応する
魂に巡り逢えたなら
きっと分かる瞳の奥
声の色はいつだって
変わらないのだから
心は優しく清浄にね
どんなときも神様の
計らいは美しいから
夜の森は暗くて深くて
あの子の瞳の奥に宿る
美しい光りが戻るよう
魔法をかけるよ誰もが
大切な存在であるのを
思い出すようにと心の
ちいさなくぼみに注ぐ
優しさを溢れるくらい
たくさんあげるよ夢で
また会えたならきっと
『星明かり』
あの人の呟いた一言に
気付かないフリをする
曇った窓ガラスに書く
落書きみたいに指先で
消せたならいいのにな
流れていく雲は早くて
競争しているみたいだ
青は少しだけ見えるよ
安心の内側に立ってる
スクリーンに映るのは
光に照らされた私の姿
『影絵』