香音

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8/28/2024, 12:08:30 AM



       大切にしている箱の中は
       誰かに見せなくてもいい
       知っているのわたしの瞳
       曇天の空色は澄んでいる
       泣いているのわたしの瞳
       ナナカマドが薄紅をさす
       風がもうすぐ連れてくる
       雨が上がる静けさを空に
       風がもうすぐ連れてくる
       今はただ此処にいたいの
       何もかも忘れていたいの
       

            『雨に佇む』

8/25/2024, 10:41:42 PM



         グラスの氷が
         溶けて消えた
         仕草のひとつ
         優しい嘘なら
         私は要らない
         隣に居たなら
         知らないまま
         さようならは
         雨の日がいい      
         あのカフェで
         窓際の特等席


        『向かい合わせ』

8/24/2024, 9:00:25 PM

 
        てんしる、ちしる
        われしる、ししる
        だれかがみている
        どこかでみている
        きのうのわたしも
        きょうのわたしも
        いつもといかける
        やさしくありたい
        じぶんにまわりに
        ただしくありたい
        じぶんのこころに
        おてんとうさまを
        みあげてごらんよ
        まぶしくあかるい
        てんしる、ちしる
        われしる、ししる

        
       『やるせない気持ち』

8/23/2024, 3:54:22 AM


        洋服の裾の綻び
        裁縫箱を出して
        針に糸を通して
        ちくちくと縫う
        苦手だけど縫う
        縫目は美しくね
        表に出ないよう
        祖母の針仕事は
        優しくて丁寧で
        しつけ糸の白の
        大きな三つ編み
        するりと一本を
        取り出していた
        私もやりたくて
        何度も絡まった
        子供だからかな
        大人になった今
        苦手だけど縫う
        祖母の大きな手
        偉大な魔法使い
                 
      
          『裏返し』

8/22/2024, 12:04:29 AM


     あの大きな海の群青に抱かれて
     泳ぐ魚はどんなに幸せでしょう
     手を繋いで楽しそうに歩いてる
     人間達はどんなに幸せでしょう     
     好奇心と少しの羨望を覗かせて
     夢を見て飛んでいたとしたなら
     不自由で自由なこの世界の中で
     私はまた人間を選ぶのでしょう
     空を見上げ恋しく思うでしょう  
     しがらみのない所で生きたいと
       

            『鳥のように』

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