短冊が風に揺れる
あの娘の願いごと
チリンと音がした
風鈴は夏を連れて
言葉は天へ預けて
永遠の時を願った
夜はひとつになる
明けてゆく空の色
溶けてゆく星の光
いつまでもの文字
微かに滲んでいる
あの娘の願いごと
短冊が風に揺れる
『七夕』
キミの好きなところ
お料理上手なところ
豪快にわらうところ
正義感が強いところ
ほっぺたのそばかす
おっちょこちょいで
免許の更新を忘れて
自学へ通ってたこと
忘れない忘れないよ
たくさん笑ったこと
またどこかでねまた
『友だちの思い出』
フレアースカート
ふわりと揺らして
あの娘は踊る踊る
隠れているお月様
うさぎさんこちら
ぱちんと鳴らした
音から溢れ出した
光は瞬く星になる
もうすぐ会えるの
あの娘は微笑んだ
ミルク色に流れる
川が虹に変わる時
美しい橋が架かる
ひとつになる夜に
『星空』
見ない言わない聞かない
他の人をジャッジしない
経験は人それぞれにあり
私はわたしであればいい
そうはいっても人生には
腹が立つこと悔しいこと
文句のひとつも言いたい
そんなことも何度かある
蒔いた種を刈り取るのだ
どこかで聞いた声がする
私にとって善とは悪とは
花が咲き乱れる世の中で
『神様だけが知っている』
海岸で見つけた貝殻
そっと耳に近づけて
波音を聞いたあの日
根無草のように揺れ
わたしは居なかった
強く風が吹いていた
わたしは飛び乗った
先のことは知らない
出来る事をするだけ
合わせるという術は
わたしを消していた
もう時間だと囁く風
不協和音は自身の心
わたしは泣いていた
気付かず生きていた
それがわたしだった
人間に嫌気が差して
神様になろうとした
心にある鬼を磨けよ
わたしが呼んでいる
終わらない旅の途中
上へ上へと一段一段
『この道の先に』