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7/2/2024, 12:24:45 PM

【日差し】

暖かく柔らかい日差しが
私を照らしている
日焼けなんて気にせず
その暖かさを感じていられたらいいのに

ルッキズムが溢れる現代では
白い肌も憧れの対象だ
だから日焼けなんてしていられない
何も手入れをしていないと言っているようなものだからだ

けれど子供のころは
日差しなんて気にせず
朝から夕方まで外で遊んでいた
もちろん日焼けなんて気にしたこともなかったし
日焼けしている子を見ても別になんとも思わなかった

自分も周りも
素直に日に当たらなくなって
日焼け止めを塗りたくったり
暑いのに上着を着たりするようになったのは
いったいいつからだろう
日差しは今も昔も変わらず暖かいのに

7/1/2024, 1:07:48 PM

【窓越しに見えるのは】

四角い枠の中
カラフルな花畑が広がっている
窓越しに見えるのは
僕が行けない世界
いつになったら
この白い部屋から出られるの
綺麗な花たちは
僕よりずっと自由な世界にいる

6/30/2024, 2:33:17 PM

【赤い糸】

赤い糸なんてものはない
あったとしても
すぐに切れてしまう
私には
誰かと繋がるようなものは
存在しない気がする
誰かと一緒に居ても
心はいつも独りだ
相手にどんなに愛を囁かれても
どんなに親切にされても
自分が受け取りたい相手ではない
好きな人はいつも
私ではない人を見つめていて
私の気持ちは届かない
ようやく通じ合ってもたった一瞬
すぐに壊れて消えてしまう
だから赤い糸なんてものは
もし次に現れるようなことがあれば
今度は自分から断ち切ってやる
信じても喜んでも
どうせ裏切られるのだから

6/29/2024, 10:28:08 PM

【入道雲】

あの大きな雲が
怪物みたいに襲ってくるのを想像していた
幼稚園児は
小学生になると
あれが大きなわたあめになったら
たくさん食べられるのにと思い
中学生になったころ
あの雲がなければ
雨に降られることはなかったと考えて
高校生になったら
初めて付き合った人と眺めて笑い
大人になった今
入道雲を見ることすら忘れているんだ

6/28/2024, 11:34:33 AM

【夏】

海に行った
君と波打ち際ではしゃいで
水着に着替えて泳いだ
海の家でかき氷を買って
ビーチパラソルの下で食べた
そのあとは手を繋いで歩いて帰った
本当に楽しい一日だった

夏が終わろうとしている
二ヶ月前の楽しかった日を思い出しながら
独りで海に来てみた
あれから君と会うことはなくなって
海の家は幻のように消えてしまっていた
夏はいつだって私に夢を見させて
終わると同時に現実を突きつけてくる

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