【ここではないどこか】
ここではないどこかに行きたい
遠くの町に行きたい
大都会に行きたい
自然がいっぱいのところに行きたい
だけどどれも叶わないなら
居なくなってしまいたい
【君と最後に会った日】
あなたなんて嫌いと
泣きながら言われて
そのまま僕の家を飛び出していった君と
会うことは二度となかった
君と最後に会った日
君は泣いていた
あんなに大事にするって
たくさん笑わせるって
自分と約束していたのに
君との最後の思い出の中で
君はいつまでも泣いているんだ
【繊細な花】
薄い花びら
すぐに散ってしまいそうな細かい花
繊細な造りをした花が咲いている
見ているだけで君を思い出す
どこか儚くて
僕が少し目を離したら
ふっと消えてしまいそうな君のことを
今はどうしているんだろう
あの花のように散ってしまっていないだろうか
消えてしまっていないだろうか
僕が護っていたかった君を
今は遠くから想うことしかできない
【1年後】
弱かった俺は
あれから努力して強くなった
1年という歳月は短いようで長かったが
あなたを守れなかったあの日を忘れたことはなかった
1年後
強くなった俺はあなたと再会した
けれど俺たちの関係性はまるで変わってしまっていて
俺はまだこんなにもあなたを想っているのに
嘘しかつけなくなっていた
【子供の頃は】
幼い私の夢は
たくさんの動物と暮らすことだった
憧れる職業や人はなく
ただ動物たちと生活するのが夢で
それが私の思う幸せだった
子供の頃は
それだけでよかった
さまざまな面倒なことも
将来やらなければならない仕事のことも
なんにも考えなくてよかったんだ
ただ
自分が思う幸せを
頭の中に思い描いて
将来に希望を持っているだけでよかった
子供の頃は
純粋で明るい夢を持っていられた
やりたくないことを無理に笑ってやらなくてもよかった
尊敬してもいない人を褒めなくてもよかった
こんな考えは馬鹿げていると
汚れのない夢を持つことすら諦めなくてよかった