【この場所で】
電車に乗るには遠い駅まで行かなきゃならない
バスに乗るには遠いバス停まで歩かなきゃならない
そんな不便なところに住んでいる
だけど引っ越すのも難しいから
この場所で生きていかなきゃいけない
馴染みのある場所ではある
けれど苦しいのは何故だろう
この場所が悪いわけじゃない
それでもどこか遠くに行きたくなるんだ
【誰もがみんな】
ああすれば良かった
こうすれば良かった
時間が巻き戻ることなどないのに
後悔をする
しばらく生きていれば
誰もがみんな
後悔というものを知る
誰もがみんな
あの時あんな風にしていれば今頃は、と
有りもしない未来を思い描く
【花束】
この花束をあなたに
いろいろな花が入っているでしょう
どれも花言葉は
あなたへの愛を示すもの
そう、私は
あなたのことが好きなのです
【スマイル】
笑顔、笑顔
どんな時も笑顔
辛かろうが悲しかろうが
笑うんだ
痛かろうが苦しかろうが
笑うんだ
笑っていればいいことがあるって
信じていたから
でもさ
気がついた時には
僕の本当の感情が
分からなくなってたんだ
無理に笑ったって
辛いのも悲しいのも変わらないし
痛いのも苦しいのも治らない
いいじゃないか、
泣いたって怒ったって
スマイルの呪いに
蝕まれないで
【どこにも書けないこと】
誰の心にも秘密がある
大きさはそれぞれだけど
秘密を持たない人はいない
だから誰にでも
「どこにも書けないこと」が存在する
そう、例えば
自分の部屋の
自分の机の引き出しの中にある
日記帳にさえも書けないこと
自分だけしか読むはずがないと思っていても
何かの拍子に誰かに見られたり
自分にもしものことがあった時に読まれたり
そんな想定をしてしまって
文字にすることもできない
そんな、「どこにも書けないこと」を
誰もが持っている
書くまでもないことなのか
書くのが恥ずかしいことなのか
書くのが怖いことなのか
書くのが勿体無いことなのか
書くのが申し訳ないことなのか
書きたくないことなのか
理由はそれぞれだけど
自分の心の内を全て書ける人なんていないのだ
あなたにもそんな「どこにも書けないこと」があるでしょう
もしかしたら、自分で気付いていないのかもしれない
心の奥底に閉まったまま忘れているのかもしれない
けれど誰にでも
「どこにも書けないこと」があるのです