【今年の抱負】
毎年毎年
今年こそは!
と目標を決めるけど
大体忘れるか上手くいかないかの二択なので
今年の抱負は
「目標を忘れずちゃんと達成する」かな
とりあえず、その目標を考えなきゃ
【新年】
新しい年になりましたね
せっかくの新年なのに
不安なことも起きたけれど
どうか皆さんに
良いことがたくさんありますように
今は正しい情報を得て
安全な場所で
心穏やかに過ごせますよう
お祈りしております
【良いお年を】
「良いお年を! ……ま、あと数秒で新年だけど」
「言うのが遅いんだよなあ」
友達とそんな話をしていたら、『ハッピーニューイヤー!』という声がテレビから聞こえてきた。
「おっ、良いお年が来たー」
「明けましておめでとう」
「おめでとう」
「今年も宜しく」
「宜しくー」
「お前、言葉を真似してるオウムみたいじゃん」
「だって、しょうがねえだろー。他に言いようないし」
そのあとは新年早々、しばらくふざけ合っていた。
今年も良い年になりそうだ。
【1年間を振り返る】
今年一年、いろいろなことがあったよ。
まず、行きたかった高校に入学しただろ。
でもテストで赤点続きで、進級が危うくなって……。
そして夏休みに猛勉強したけど、やっぱり休み明けのテストで赤点を取った。
あんなに勉強したのに赤点だなんて、どうすれば、と途方にくれてぼーっと歩いてたら、そこにトラックが突っ込んできて。
気が付いたら異世界で。
そこでの俺は伝説の勇者で、どの村人に会っても頭を下げられて。
ツンデレのヒーラーやお調子者の盗賊、頼れるバーサーカーなんかと旅をして。
俺の居た東京には戻れないけど、毎日楽しいし、まあそれもいいかな、なんて思ったりして。
だから俺は、スライムが蔓延る「迷える森」の奥にある教会の鐘の音を、除夜の鐘の代わりに聞く予定。
初日の出もマーメイドたちの住む海岸で見る予定だ。
お年玉を貰う予定はないけど、いずれ魔王を倒せば王様が褒美をくれるかもな。
いやあ、この一年、本当にいろんなことがあったなあ……。
【みかん】
むかし、とても意地悪なおじさんがいました。
ある日おじさんの家に、段ボールがとどきました。
むかしの知り合いが送ってきたものでした。
玄関で段ボールを開けてみると、中にはたくさんのみかんが入っていました。
嬉しくなったおじさんはニヤニヤと笑いました。
と、誰かが家のドアをノックしているのが聞こえてきました。
おじさんは舌打ちを一つすると、ドアを開けました。
そこにはお隣に住んでいる佐藤さんがいました。
回覧板を届けにきたそうです。
佐藤さんはみかんを見て、「あっ、おいしそうですね」と言って目をらんらんと輝かせています。
それを聞いたおじさんは、
「お前には一つたりとも渡さねえぞ!」と佐藤さんは怒鳴りつけました。
佐藤さんは悲しそうな顔で帰っていきました。
おじさんは佐藤さんが閉めたドアを睨みつけると、段ボールを部屋に持っていきました。
「さて、このみかんは全部おれのものだ」
しかし、一つみかんを手にしたところで、ぐにゅりとおかしな感触がしました。
みかんのおしりの部分が白くなっていたり、青黒くなっていたりしたのです。
「カビてるじゃねえか!」
おじさんは怒りながら段ボールをひっくり返し、みかんを全て畳の上に出しました。
そして一つ一つ確認してみると、なんとみかんは全部カビていたのです。
おじさんのむかしの知り合いは、おじさんにたくさんの意地悪をされたので、その仕返しをしたのでした。
それから二年ほど経ちました。
おじさんはカビたみかんの感触が忘れられず、みかんを食べられなくなりました。
意地悪な性格は今も治っていませんが、みかんを手に入れた時は、佐藤さんに快くあげるようになったということです。