桜月

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3/17/2024, 11:31:46 AM

泣かないよ


「大丈夫だから、怖くない
すぐに終わるから 約束だ。」

彼はそう言って 私を前に押し出した

下を見ると 
あまりの高さにクラクラする

よし、覚悟は決まった!
うん。もう、泣かないよ

だって飛ぶしかないんだから!

あ〜なんで、 あん時 
罰ゲームの バンジーする
なんて言っちゃったんだろう…

私の身体を押し出す、
係員のおにーさんの カウントに
私は 泣かない様に唇を噛み締めた

2024.3.17 泣かないよ

3/16/2024, 9:17:12 AM

安らかな瞳

その瞳は とても安らかだったから
安らかな死を迎えたかと言えば
それは違う

だって 彼女はいつだって苦しんでいた

イジメは彼女の体を心を蝕み
最後には大事な心さえ持って行ったんだ

きっと 苦しかったはずだけど
誰にも相談する事なく 逝った

僕は 彼女の安らかな瞳を
最初に見られた事にとても喜びを
感じた

さぁ、 次は誰があの瞳を
見せてくれるだろうか?

 2024.3.16 安らかな瞳

3/13/2024, 1:02:54 PM

すっと隣で

ずっと隣で笑っていたかった

たとえ 貴方が嘘つきで
いつも 私を騙していても
私は知らぬフリで 貴方の隣に

でも、もう無理みたい…

いつか 違う誰かが
貴方の隣で 幸せに微笑むだろう

ずっと隣で… 2024.3.13

3/12/2024, 1:42:09 PM

もっと知りたい

そんな気持ちからだった
君に興味が湧いたんだ。

ランチタイムに後ろの席から聞こえてきた
君と同僚の会話
 
「最近なんだか 眠れなくて…」

『どうしたの? 悩み事でも?』

「ん〜 悩みって言うか…
 最近 彼からのラインも来なくて
 浮気?かなって…」

『まさか、 あんたの彼氏って
 浮気するタイプじゃないでしょ?
考えすぎなんじゃない?』

「うん…そうだと、いいんだけど…
今夜のデートも、無理みたいで…」

『急な仕事なんじゃない?
 ほら、そんな顔しない!』

ランチを終えて 席に戻る君は
彼女に見えない様にこっそりと
携帯を手にしていた。

【急に誘ってごめんね🙏
 逢えるのを楽しみにしてる♪】

君は気がついてない様だけど
彼女は気がついているみたいだよ

だからね もっと知りたくなったんだ

彼女が今夜 君と彼がこっそり逢っているの場に現れたら どんな顔をするか

君の恐怖の顔が見たくてね
僕は彼女に2人が逢っている場所を教え
ナイフを渡したんだ

あぁ、 もっともっと知りたいよ
君のすべてを


もっと知りたい  2024.3.12

4/30/2023, 2:14:24 AM



 「聞こえない?
ほら、なんか遠くの方で
ラッパっぽい…あれ チャルメラ?」

耳を澄ますと 
屋台のラーメン屋だろうか?
チャルメラの楽器の音が風に乗って
聞こえてくる

部活帰り テニス部の私たちは
丁度お腹がぺこぺこで

もちろん 普段はコンビニに寄ったり
ファミレスに行ったりするんだけど
この日は 寄り道先を決める前に
聞こえてしまったのだ

あの チャルメラの音を

「ね、食べて帰ろうよ!」

誰かがそう発したら もうみんなが
そうしょう!と口々に言い出し
私達は 走り出した

「どっちから、聞こえる?」

「あっちじゃない?」

女子校特有なのだろうか
わいわい キャッキャしながら
部活終わり疲れている事も忘れ 
チャルメラの音を頼りに
はやる気持ちが早足にさせた

だが、行けども ラーメン屋の屋台を
見つけられず
ただ、住宅街の中で彷徨っていた

「え、チャルメラ聞こえなくない?」

4〜5人の女子高校生が
住宅街の中で耳を澄ませ動きを止める

「匂いも、しないよね…」

その時 丁度立ち止まっていた
家のリビングらしき所から
チャルメラが聞こえた


… え…
… 練習?…
… 嘘でしょ…笑

少女達は 爆笑し、笑いながら
元来た道をダラダラ歩きながら帰る

… ね、ミスド行かない? 走ったら
甘いの食べたくなっちゃった

そうしょ〜 笑


   #風に乗って

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