逆光
何もかも眩しくて
全てが白く霞んで見える世界で
確かにそこにいる君を
見ようとする
影だけの君は
笑っているの?
怒っているの?
それとも泣いているの?
何も喋ってくれないから
ぼくはちょっと不安だよ
君からは僕が丸見えで
眩しそうに目を細めて
不安そうな顔をしてる僕を
どんな気持ちで見てるんだろう
何も喋ってくれないから
分からない
だから僕は
どうしようもない不安のまま
君に近づき
そっと抱きしめてみる
ーこんな夢を見たー
見上げればどこまでもひろがる青い空
タタッと駆けて
ピョンと跳ねる
とたんに物凄い勢いで
身体が宙に浮かび上がる
一気に何十メートルも
そこでぼくは手を大きく羽ばたく
するとそこからさらに高く
上昇する
羽ばたけば羽ばたくだけ
どこまでもどこまでも
ぼくは青い空の中を
自由に飛び
滑空する
新しい力を手に入れたんだ
空を飛ぶのがこんなにも気持ちが良くて
こんなにも自由だなんて
もっと上昇したくて
もっともっと羽ばたく
あぁこんな力があったら
どんなに楽しいだろう
いつも思う
タイムマシーン
時間を戻せたらといつも思う
人生はいつでも後悔があるものだ
あの時ああしていたらと
いつも思う
でも
タイムマシーンがあったとして
過去に遡って
後悔した時を変えたとして
果たして『今』では後悔していないだろうか
もしかしたら
自分は生きていない『今』になるかも知れない
過去を変えて『今』の時間に戻っても
前より良くなるとは限らないかも知れない
良くなかったらまた過去に戻って変えるか
キリがない
未来を見たとしても同じこと
過去から見れば『今』が未来なのだから
結局いちばん大事なのは
『今』なんだ
特別な夜
『子供の頃はさ、クリスマスの夜って特別な夜じゃなかった?』
キラキラした目で嬉しそうに君が話すので
『うん、そうだったね』
ぼくも思わず微笑んだ
そう
大人になっても
クリスマスじゃなくても
毎日が特別な夜だよ
そう答えたかったけど
恥ずかしくて
言葉を飲み込んだ
子供の頃とは違う特別感
君の笑顔が
ぼくにとって何よりのプレゼントだよ
海の底
まただ
こんなふうに胸のなかが重く
苦しく
どんよりと重い
誰もいない
暗い
まるで自分の身体が
自分のものじゃないようだ
海の底に沈んだように
何も見えず
何も聞こえず
ただそこに横たわるだけ
ずっとこのままなのだろうか
私にはもう光が当たることはないのだろうか
そんなことはない
底があるということは
その上の光の世界があるということじゃないか
いつの日か必ず
光溢れる世界に
出られる日を夢見て