saito_azu

Open App
3/19/2024, 10:46:50 AM

『胸が高鳴る』 3月19日

目一杯空気を吸い込んで深く吐いてみても
鳴り止まない音が
うるさいのは君との間に
沈黙しか挟まってないからだろうか
その沈黙を伝ってこの鼓動が
君にバレてしまわないよう
もう一度大きく息をつく
いつの間にか景色の流れが速くなって
君を置いていってしまわないよう

3/18/2024, 11:47:51 AM

『不条理』 保留

3/17/2024, 11:00:31 AM

『泣かないよ』 3月17日

「またいつか、絶対に会おうね」
目の前の少女が言った。
生温いだけの風がやんわりとカーテンを膨らます。
転校することはもう随分前から聞いていた。
彼女は新学期にはもうこの教室には帰ってこない。
やっとつまらない親友ごっこから解放される。
放課後にカラオケに連れて行かれたり、移動教室もトイレもずっと隣にいたり。今思えばこの一年、彼女に振り回されて散々だった。
二度と会ってやるものか、そんな言葉を飲み込んで地面を見ながら小さく頷いた。
見つめた地面にぽつり、雨が降ってきた。
また一つ、また一つ。小さな雫が染みをつくる。
「泣かないで」
彼女は言った。
泣いてないよ、泣くわけないじゃん。
前が滲んで床が曲がって見えた。
あなたぽっちじゃ、涙なんか出てこないんだから。

3/16/2024, 10:35:54 AM

『怖がり』 3月16日

傷つくのは怖い
大切な人がいなくなったり、誰かに見放されたり
だから傷つかないように生きてきた
空気が読めるようになった、作り笑いも上手になった、愛が見えないフリをした
たとえ、傷ができてもその傷口を誰にも見せてはならない
だって傷口は血で汚れてみすぼらしいから
こうやって誰かのせいで知らない私に染まっていくのが
私はただ、ひたすらに怖い

3/15/2024, 12:54:23 PM

『星が溢れる』 3月15日

何処かで星が溢れる音がした
と、と、からり
また何処かで溢れた
と、と、と、ころり

そして星達は音もなく地に吸い込まれて
何処かに広い、星の絨毯が敷かれた
静かな夜風がそこに寝転んだ

Next