大好き
大好きと口にするたび消えていく私の中の小さな私
大好きが積み重なって成るかたち肩寄せ夢見のひだまり
ラララ
高らかにラララとうたう歌をうたう
夜釣りはとてもいいとうたう歌をうたう
歌詞のわからないところは全部ラララでうたう
夜の湯船で
朝の徒歩通勤で
昼の休憩中にも
夜でなくてもうたう夜の歌
いつでもどこでも
頭の中で踊り狂って夜に帰る
サカナクション
ナイトフィッシングイズグッドを聴いて今日も眠りにつく
question
「ままはけっこんしないの?」
「え、ママはパパと結婚してるよ?」
「えー!」
「ままとおばちゃんてきょうだいなの?」
「そうだよ、おばあちゃんがママとおばちゃんのママだよ」
「えー!! としよりでもままになれるの?」
「おばあちゃんは昔はママみたいに若かったんだよ」
「それじゃあ、おばあちゃんがままとおなじとしになっちゃうよ」
「ママはそのとき子どもだから」
「……。おばちゃんは?」
「おばちゃんはママの妹だからもっと小さかったよ」
「……。」
「ねぇ、ぱぱとままはけっこんしきしたの?」
「したよ。お写真見る?」
「みたい!……なんであみちゃん(仮)いないの?」
「だってあみちゃんまだ生まれてないもの」
「ずるいー!!!」
こどものquestionは時空が歪む。
芽吹きのとき
君の顔を見て思い出した
高く掲げた理想があったこと
飛び出上がって大空を羽ばたいて
手に余るほどの幸せをつかみ取れ
レールは無視してもいい
生き方を決めるのは自分だけ
けして諦めないで
でたらめに選んだように見える選択肢も
もしかしたら心の奥底の願望
嬉しくて悲しくて悔しくて泣いた夜を越え
描いた未来を手放さないで
出会いと別れの芽吹く、春
(文頭文末しりとり)
あの日の温もり
縁側が好きだった。
床の節穴に小さな木の実を落とした。
ビー玉をつめた。
腹ばいになって床下を覗いた。
あたたかな春の日差しを浴びておままごとをして。
やわらかな秋の温もりを抱いてぬりえをして。
母の燒くパウンドケーキを味わって砂糖入りの麦茶を飲んで。
私のひだまりの思い出は縁側。
ガラス越しの、すきま風が吹き込む、古びた家屋の縁側。