シーラ知流

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あの日の温もり

縁側が好きだった。

床の節穴に小さな木の実を落とした。
ビー玉をつめた。
腹ばいになって床下を覗いた。
あたたかな春の日差しを浴びておままごとをして。
やわらかな秋の温もりを抱いてぬりえをして。
母の燒くパウンドケーキを味わって砂糖入りの麦茶を飲んで。

私のひだまりの思い出は縁側。
ガラス越しの、すきま風が吹き込む、古びた家屋の縁側。

2/28/2025, 2:13:03 PM