七星

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4/7/2025, 11:46:04 AM

『フラワー』

私を花に喩えるならば
か弱げに咲く、紫のコスモス
弱そうに見えて、実は強い茎に支えられ
時には図々しく伸びていく
内に壮大な宇宙を秘めた、ミステリアスな花

私を花に喩えるならば
夏の庭に咲く、青い露草
踏みつけられて、ひしゃげた時も
黙って消えはしない
深い青の色を、誰かの心に強く刻む

人は、心の中にいくつもの花を持つ
そして、どれか一つには決められないまま
割り切れない世界で
割り切れない自分を生きる
誰にも決めつけられない、ひとつを持って

私を花に喩えるならば
どこにも存在しない、空想上の白い花
何色に染められても
必ず白に戻る、不思議な花
そしていつかは、誰かの余白を
その白で埋め尽くす

4/6/2025, 11:58:20 AM

『新しい地図』

新しい地図を買った
真新しい紙の匂いに
少しだけ、心が浮かれる

新しい地図を片手に
今度はどこへ行こうか
桜の巨木がある場所
それとも、久々に海もいいかな
紅葉の綺麗な公園とか
白銀に染まった草原も素敵だね

そこで新しい誰かに出会って
楽しい話を聞きたい
私も、たくさん話すから
笑顔で聞いてほしいな

新しい地図の向こうに
いくつもの景色や人が見えてくる
人は空想することができる生き物
その分、傷つくことも増えるけど
傷ついた分、パレットの色は増える

新しい地図を広げて
新しく広がる風景を想像しながら
さあ、今度はどこへ行こうか

4/5/2025, 12:54:01 PM

『好きだよ』

本当は、手を繋ぎたい
思いっきり抱き締めてあげたい
でも今は、近くにいて見守っている
むやみに触れたりしたら
きっと、あなたは傷ついてしまうから

いつだったか、あなたが家族から
強い口調で何かを言われてるのを見たよ
それでもあなたは、走り去る車に向かって
力なく微笑みながら手を振っていたよね
どんなきつい言葉をぶつけられても
あなたにとっては大切な家族なんだ

あなたは無口で繊細で優しい人
だけど、とっても芯の強い人なんだってことを
私は知ってる
ほどけかけた心が
また閉ざされてしまわないように
今日も私はあなたと目を合わせて
黙って微笑み合う

少しずつ、少しずつ
時間はかかっても
この距離が縮まりますように
あなたのことが好きだよ
ずっと味方だよ

4/3/2025, 12:42:32 PM

『君と』

君と私はよく似ている
あまり人と話さない所も、猫背な後ろ姿も
自信なさげに喋る優しい声も
集中したら時間を忘れる所も
驚くほどよく似ている

きっと私たちは、今までの人生で
似たような痛みを受けてきたのだろう
痛みは人を変容させてしまうものだから
たとえ、年齢や性別や住む所が違っても
同じように傷ついたら
同じような人間になる

君と同じ空間で、時を過ごしながら
でも私は弱いから何も話せない
自分の殻を破れない
曖昧な距離感を保ったまま
今日も時間が流れていく

明日も、君は来るんだろうか
挨拶だけでもできたらいいな

4/1/2025, 4:18:24 PM

『はじめまして』

いい歳をした四月生まれの女で
血液型はA型、真面目な性格
趣味は読書と音楽鑑賞と、小説執筆
だけど忙しくて、小説は最近書けていない
はじめまして
これが私です

学校はあまり好きじゃなかった
そのくせ勉強は大好きな変人
文字や数字に色が見える共感覚者
時々、音楽鑑賞中にも色のイメージが浮かぶ
はじめまして
これも私です

他人が嗤うと、自分が嗤われたと思い込み
その直後に自己嫌悪に陥る
抑うつ傾向が昔からあった
恐怖を伴うこと、特に体育が苦手
はじめまして
これも私です

一人でいたいけれど、人とも関わりたい
静かなのが好きで、目立つのも好き
矛盾しているくせに
理屈の通らないことは嫌い
はじめまして
これも多分、私です

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