5/3/2023, 10:27:33 AM
拝啓 〇〇様
ご無沙汰しております。いかがお過ごしですか。
突然ですが、どうか、この気持ちが執念や憎しみとは違うものであれと祈っています。
その上で、あの日のあなたの悪意すらない言葉が、どこまでも心を抉って、悲しさに打ちのめされた経験があったからこそ、今、わたしはこうして文章を書くのをやめられずにいるのも事実です。
心ない言葉に、心からの感謝を。
親愛なるあなたに、今この瞬間、幸多からんことを切に願っております。
敬具
5/2/2023, 10:36:38 AM
変わってるよね、という言葉に関しては、もはや悪口と感じるセンサーに引っかからなくなって久しい。
優しい肌触り、敏感肌にも優しい、髪に優しい。
それらの謳い文句が並ぶ商品は、みなお財布にだけは優しくない。
変わってるよね、とまた云われた。
わざと流行遅れの、棚の端に追いやられた商品ばかりのカゴを見下ろす。一瞬こちらを窺う、店員のまなざし。
肌に優しくなくていい、髪に優しくなくていい、周囲の誰も彼も別に優しくしなくていい。私を理解しなくていい。
お財布に優しいことを第一に考えているだけです。だから、セール品に身を包み、特売品を買うばかりの人間のことを、変わっているとか、可哀想とか売れ残りなんて、陳腐な謳い文句でくくらないでください。
(優しくしないで)
※フィクションですのでお気遣いなく。
5/2/2023, 5:54:25 AM
あなたのひとみ、いつだって色が違うのね。
目の色を変えて、とか。目を白黒させる、とか。この目の黒いうちは、とか、云うじゃない?
それなら黙っていたら、あなたの本当のひとみは、何色なの? もちろん、色眼鏡は無しよ。あなた自身のひとみで、空を、風を、わたしを見て。
さあ、どんな色になっているかしら。恥ずかしがらないで、見せてちょうだい。
(カラフル)