妄想の吐き捨て場所

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8/8/2023, 7:12:07 PM

彼女はまさに僕が憧れた"名家のお嬢様"だった。
さらさら揺れるブロンドの髪、ほんの少しだけタレ目がちのパウダーブルーの瞳、白く透き通るような肌。
顔にはいつも笑みを浮かべていた。
対して僕は微かに紫かかった黒髪に彼女からワントーン程落ちた色の碧眼。
顔にはいつも貼り付けられた笑みが浮かんでいる。
僕より彼女の方がよっぽどうちの家にふさわしい、生まれる場所が逆だったように思えた。

8/7/2023, 7:10:44 PM

穏やかな風がそよいでいた。
見渡す限りの草原、少し遠くに見覚えのある小屋が見えた。
何となくそこに惹かれて歩き出す。
近づくに連れて幼い男女の楽しそうな声が聞こえてきた。
小屋の裏を覗いてみると2人の子どもが花に囲まれて並んで座っている。
どうやら少女が少年に花冠の作り方を教えているようだった。

何かが引っかかる、何か忘れているような気がするが頭にモヤがかかって上手く思い出せない。

もう少し近づいたら何か分かるかもしれない、そう思い小屋の影から踏み出そうとした。


ロベリアは目を覚ました。
窓から差し込んできた朝日が目に染みた。
なにか懐かしい夢を見ていた気がするが、良く思い出せない。
少しの間、思い出そうと思考をめぐらせてみたが
(思い出す必要も無いか)
そう思い直し支度を始めた。