彼女はまさに僕が憧れた"名家のお嬢様"だった。さらさら揺れるブロンドの髪、ほんの少しだけタレ目がちのパウダーブルーの瞳、白く透き通るような肌。顔にはいつも笑みを浮かべていた。対して僕は微かに紫かかった黒髪に彼女からワントーン程落ちた色の碧眼。顔にはいつも貼り付けられた笑みが浮かんでいる。僕より彼女の方がよっぽどうちの家にふさわしい、生まれる場所が逆だったように思えた。
8/8/2023, 7:12:07 PM