君と飛び立つ
そんなの嫌だ。私はまだ、逃げたくない。
私はね、最終話が気になる漫画があるんだ!
あなたはないの?
終わりが気になる物語。また感じたい四季の香り。
きっと忘れない
そんなの嘘だ。忘れない自信が無いから『きっと』なんて言うんでしょう?
聞いたことがある人もいると思う。
愛する人を忘れていく過程。
初めに声を、
次に顔を、
最後に思い出を――。
あなたは、愛する人の笑い声、可愛らしい照れた顔、怒った顔、泣いた顔。何気なくふざけ合ったあの日の思い出を生涯、死ぬまで忘れない?
私は、忘れてしまうと思う。でも、忘れたくないから、『忘れない』。そう、自分に言い聞かせる。
それが、まるで自分を守る呪文かのように―。
なぜ泣くの?と聞かれたら
ねぇ、そんな馬鹿げた質問しないで。
だってこんなに頑張っても、苦しくても我慢して、ボロボロになるくらいに頑張っても。
誰も私の頑張りを見てくれないし、認めてくれない
『頑張ってるね。』『偉いね。』『もう十分だよ』
そんな一言が欲しいだけなのに。
―もう、疲れたんだよ
お願いだから、あなたは。そんなことを言わないで
足音
最近、懐かしい夢を見る。
いなくなってしまった父さん母さんと、大好きなペットのメロンさんとご飯を食べてる夢。
最近、母さんの声が聞こえる。
『頑張ってるね。』とか『愛してるよ。』とか。
その声色がとても優しくて涙が止まらない。
最近、私の病室でメロンさんが元気に走り回ってる
そんなはずはないのに。確かにそこにいる。
あぁ、もうそろそろだ。そう感じる。
死の足音が私にどんどん近づいてくる。
でも怖くないよ。だって今まで幸せだったから。
そう、今日も自分に言い聞かせる。
遠くの空へ
よく私は、残酷で綺麗な夜空を見上げる。
―あぁ、星になりたい。
そう思いながら。ありえない話だってわかってる。
でもね、よく母さんが言ってたんだ。
『死んだら皆、星になるんだよ』って。
私は今日も、美しく斑に輝く空を見上げる。
手をどれだけ伸ばしても届くことはない。遠くの空へ思いを馳せながら。