4/10/2023, 3:53:10 PM
春爛漫
暗い部屋から覗く小さな窓がまるで額縁に切り取られたように見える。
何度額縁から外を覗いただろうか。
何もできない自分を責め続ける日々が数え切れないほど過ぎ去っていく。
今日もまた額縁を覗く。
外はまぶしいほど春めいて、桜が爛漫と咲き乱れている。
自分とは程遠いその世界に憧れと恐怖を抱いた。
いつか自分も似合うように思いを馳せながらも今日も一日暗い部屋で過ごす。
それしかできない自分には日差しが痛く感じた。
4/9/2023, 12:45:22 PM
誰がみてきたんだろうか。自分の努力を。
毎日資料を見漁ったことも、
絵の具を混ぜてはカンヴァスに乗せ続けてきたことも、
鉛筆を削るその手に自信が持てないまま
デッサンをかきあげてきたことも、
伝わると信じて形作ってきたことも。
誰が見てきたんだろうか。自分の苦悩を。
講師はわかってくれなかった。
友人のほうが上手く思えた。
あいつの方が努力してるのだろうか。
自分のこの作品たちは駄作なのだろうか。
試験結果の開示はよくないものばかり。
誰がわかってくれるのだろうか。
誰もわかってくれなくてもいいのだ。
今まで費やした時間は自分の糧となる。
熟してきた経験は自分の色になる。
自信がない時期は自分を愛する機会になる。
誰にもみられてなくてもいいのだ。
いつだって自分の作品を見てるのは自分だ。
一番努力してることを知ってるのは自分だ。
作品が宝石のように愛おしいことを
知ってるのは自分だ。
何度も涙したことを知ってるのも自分だ。
試験結果なぞ、たまたまその時の運なのだ。
だれよりも、ずっと自分が自分を知ってるのだから。
ほら、認めてもらえたじゃないか。報われたじゃないか。
目一杯自分へお祝いしよう。