【Ring Ring...】
僕が好きなあの子はいつも窓側の角の席がお気に入り
僕が好きなあの子は周りの人には無口で少し感じ悪い
僕が好きなあの子は偶に給食でピーマンを残している
僕が好きなあの子は僕の知らない誰かからの電話がきた途端に花が咲いたような笑顔をしてしまう。
でも僕はそれでいい。他の人が知らない彼女を少し知っていれるだけで満足だ。
例えいつもあの子に電話をかけている相手があの子の想い人であっても、僕はちっとも悲しくない。
僕はこれからも彼女への想いを心の奥に捨てていく。
、、、でも僕の電話には彼より早いワンコール目で。
今日も僕は彼女に見惚れる。刹那を抱きながら。
儚く美しいひとだった。僕の憧れの人。街を歩けばみんなが虜になり、誰もが彼女を中心に生きていく。
そんな人だった。
昨日亡くなったらしい。自殺だそうだ。
誰のなにが彼女をそうさせてしまったのだろう。
美しい天使の羽根は、自らちぎられ堕ちてしまった。
僕は彼女が昔言っていた事を思い出す。
「もし私が天使だったらどうする?」
僕は即答した。それしか無かったから。それじゃないといけなかったから。
「僕がその羽根を奪いに行くよ」
彼女は途端に涙して、喜んだ。
きっと彼女は天使でもなんでもなく普通の女の子だったのだろう。彼女が本当に求めていたのは注目を浴びることではなく、人を虜にすることでもなく、本心をみんなに見せることだったのだろう。
でもそれは叶うことは無かった。
だから彼女は天使の羽根をちぎってしまった。
みんなはそれを悔やまなければいけない。苦しんでいかなければいけない。
彼女は普通の女の子に最初からなることは出来なかった。なぜなら死んだ後も呪いは解かれることなく彼女はみんなの中心で悲しみとなるから。もう忘れられることはきっとできない。
僕だけは喜んで彼女を忘れよう。
今日もまた彼女の追い風に吹かれて生きていく。