5/24/2024, 10:28:03 PM
『幼年期』
幼心にみる雲は 不安な気持ちのかたまりだった
もやもやだとかざわざわだとか 音をたてながら宙に浮く 公園は楽しい だけどその楽しさは漠然として
はっきりしないのだ すべり台の手すりが僅かに熱を持つ 空を見れば 私の作った不安の雲がまた浮かぶ
もやもやうかんで ざわざわきえた
5/23/2024, 5:31:57 PM
『レモンキャンディ』
気がつけば 朝は空白で 目覚めた記憶がまるで無い
口に残る僅かな酸味 それを手がかりに旅に出よう
私の胸元 黄色い刻印 カットソーに付いた染み
5/22/2024, 4:23:32 PM
『また明日』
『またね』と手をふる あなたの姿がゆっくりゆっくり遠のいて 雲の唸りを聞きながら 無人駅でぼーっとしている 次がある あなたと二人の日々が続く
5/21/2024, 3:08:28 PM
『透けていくのに』
緑の中を潜って 更に緑で胸が詰まった こんなことでは今日明日のことを考えるのに手一杯だ
朝の匂いを嗅いでたら あっという間に夜が来る
どうしよう? 日々、私の体は透けていく
5/19/2024, 1:15:10 PM
『惜別』
今にも千切れそうなピアノ線 ていうかこれは私の血管だ 紅い波打ち際 ただの液体になる夢を見た 君にぎゅっと抱きしめられても 白いシャツを汚すだけ
どうせ溶けてしまうなら 野原の上で 微生物の力を借りて 私、立派な花になるから