11/5/2023, 2:38:43 PM
『ひとすじのランデブー』
もう思い出すことも無い 汗も涙も光の粒も カーテンが揺れるたびに逃げていく この部屋が世界のまんなかだったのに 今私はどこにいる? 誰にも発見されない星座のように 部屋の片隅で佇んでいる
11/4/2023, 3:11:50 PM
『哀しみの背』
翼が生えないその背中 夜の帷で鉄の味を知る
車は走る 深夜の工事中の光を超えて 痛みを知らない風になる 上手に怖がる事を知る 道を照らす光に
希望を感じる 哀しみの背が缶コーヒーを買いに行く
知識の泉に何も無いと言い切って 15分休憩を取る
言われように無い哀しみが 空見る私に降り注ぐ
11/3/2023, 1:24:30 PM
『鏡の中の私』
鏡の中の私 人知れず歩いてく 知らない街の知らない通り 知ってるようで知らない看板 きっとどこかでみたであろうカフェテラスの朝食 交わることは無いけれど ほんのちょっぴり似てるんだ どこか双子のようで可笑しいな
11/2/2023, 4:52:10 PM
『夢を見る人』
深夜二時過ぎ 悪い夢の向こう側 ニット帽がぽつりぽつりと 綻びを気にかけて歩いている 手を差し伸べても触れられない これは夢だから これは夢だと自覚している私 だけども好きには動けない 何か別の意思が働いて レールの上を歩かされている これは夢でなくても きっとそう 私は歩かされている
11/1/2023, 3:14:12 PM
『家路』
ずっと家へは帰らない そう思ってた だけど脚は確実に家路と向かう いつだって自分の行動を説明できない 慌てふためき言葉が曲芸を始めてしまう
私の緩い決心は日付変更線でリセットされる ドアを開ければ鍋にはスープ 甘ったるい世界の甘ったるい考えで私は今日も生き延びる