10/28/2023, 3:00:06 PM
『闇堕ち』
老人は闇の中 枯葉を踏んだまま硬直してしまった
猫の目で踊るジルバ 進む時があれば止まる時もある
複雑な交差点のようだね 振り返れば別次元 アパレルブランドの紙袋 中身が何かもわからない 冷めた風が髪を揺らすよ 未知なる自分への独り歩き 身体の半分がモノクロームだ 変わってしまう何もかも
10/27/2023, 11:27:44 PM
『ミルクティ』
牛乳を飲みすぎるとお腹が痛くなる お腹がきゅうっと鳴くんだよ 心がきゅうっと鳴くときはいつだろう? ラズベリースコーンを床に溢した 飲みかけのミルクティが笑う午後三時 この部屋で1番冷めているのはなんだろう?
10/26/2023, 3:45:26 PM
『恋がはじまる』
お祭りのあと 誰かが落とした小さな時計 ベンチで誰かを待つように 文字盤がひっそりと光を放つ 私の願いは大きいようで小さくて ついつい時計に想いを重ねてしまう 悪いことと知りながら 地獄の門をノックする 天使が出たら恋のはじまり 悪魔が出たら心臓ごと奪われる ひとりぼっちの想像はさぞかし
気味が悪いだろう だけどあなたが望むならB5ノートの切れ端をほんの少しだけ見せてもいいよ
10/25/2023, 9:06:21 PM
『アメリカの友人』
記憶は霞む サーモン凍る冷凍庫 連絡なんて暫く取っていない 手紙を書こうか アメリカの友人 元気ですか?なんて 常套句で 窓の外 鳩が唄う ちっとも平和の歌に聴こえない ただなんとなく君がギターをつま弾き唄っていたのを思い出した
10/24/2023, 2:27:52 PM
『はなればなれ』
一人の帰道は心悲しい 消えかかった街路樹の灯り
点滅するたび 胸を打つ できれば今、雨が降って欲しい 大雨でもかまわないから 雨が降って欲しい
躯が濡れて 髪が乱れても 気持ちは一向に変わらなかった 心よ、どうかはなればなれにならないで