天坂えみる

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9/29/2023, 11:37:44 PM

      『アンダルシアの月』
静かだ 誰もいないので 当然だけど静かだ 白い部屋パルプフィクションのポスターが貼ってある 私のせめてもの主張 何か派手なことがしたい 四角い窓にまあるい月がぼんやりと 剃刀で切り裂いてやろうか 月の中身がみたくはないか 玉子の黄身が出てくるか はたまた人々の憎悪の塊か 想像は月を一周して 私の静かなアクションは一先ず終わりを告げられた

9/28/2023, 1:44:05 PM

        『グッドバイ』
交差点 雑踏 それぞれの物語が交わることは奇跡に等しい そんな奇跡を越えた二人にも別れはやってくるんだね さよならと手を振って 夜な夜な数式を解いている 理路整然とすることで心の穴を埋めている
あれだけ愛した散文詩 最初の一行も思い出せない
響いているのは グッドバイのリフレイン いつか必ず忘れるだろう 私はそういう生き物だから 

9/27/2023, 1:33:33 PM

        『冠水間近』
私の涙腺 冠水間近 涙溢れる 雨の午後 通り雨で
済めばどんなにいいか 雨は降る 降り続ける
哀しみってなんだろう 感情線は廻り廻るサーキット
さようなら その一言がはじまりだった 

9/26/2023, 1:31:39 PM

       『秋の止まり木』
涼しくなって秋風 立ち止まって考える やみくもに飛び続けても 音速の壁 ぶつかり落ちてしまう     
散りゆく美学もあるでしょう ただ、私はひと息つきたい 星になれなくても 名前がなくなっても 
それでいい それを望んでいる

9/25/2023, 8:59:08 PM

        『街は水色』
街は水色 シャボンに溶ける街並みは 気持ちを洗濯してくれる 覚えてる いつかカメラに納めた この街のこと 君は記憶を逆手にとって遊んでる 私はその中で思い出に支配されている

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