9/3/2023, 11:14:36 AM
『煮えないかぼちゃ』
此処は世界の終わりのキッチンだ かぼちゃは小鍋の中でしぶとく固い 空には閃光 人々の悲鳴と虚無感
それと私の些細だけども重大な悩みはかぼちゃが煮えない お気に入りのドットのエプロンに茶色いしみが
点々と 銀河の中の小さく大きいトピックだ
9/2/2023, 1:00:17 PM
『6時半頃』
午後6時半頃 夕暮れ時だ 思いの外優しい風に
秋の足音を聴いたのだ 知らない家に灯が燈る 知らない暮らしに灯が燈る 私の小さな頭の中で知らない家の知らない暮らしを想像する 何百何千何万の灯の粒がおしゃべりしながら 夜空に点々と浮かんでいく
私もあの子と自転車で 帰路につく ただいまという星になる
9/1/2023, 4:25:12 PM
『漂流する言葉』
離島の海岸 尊い生命が海月になった 海獣たちは不可思議に離島の周りを連なり泳ぐ これは弔いなのだろうか? 言葉では無い何かによって 生命が浮遊するのを目の当たりにした
8/31/2023, 9:17:03 PM
『当然』
明るいきざしが閉じたノートを躍らせる 心が足りないのか 足す必要もないのか 答えはなくて探す必要さえない 当然のごとく呼吸をして ご飯を食べて眠たくなれば ベッドになだれ込む そして目を覚ます
アンティークの家具に囲まれた夢の余韻に浸りながら
8/30/2023, 1:36:48 PM
『香り』
眠りに誘われる香り 夢の入り口で足元を確認する
白いシューズにチューイングガム 厭な気分を引きずり歩く 不快不快不快 仄かに香るシトラスが不快を更に煽るんだ 夢の出口でカレーの香り 空腹空腹空腹 人参はひとくち大 理想は香りに表れる