5/3/2023, 12:53:39 AM
『時にそれはナイフだ』
ほんのちょっと哀しくて 水に溶かしたカルピス
改札口で戸惑って 蜘蛛の巣散らして歩く足
部屋で寝転がるあなた 私のコップを洗うあなた いつしか不用意な優しさの奥にちらつくナイフが見えた気がした 温かいはずなのに冷たい 冷たさの中に不自然な温もり 私はそう遠くない日にあなたに切り裂かれる
5/2/2023, 12:04:44 AM
『何色を生きる』
信号待ちで赤、青、黄色、 私は無色のカメレオン
色を選べる変えられるそんな私は幸せだ 幸福の色はなんだろう? パレットにアクリル絵の具の山ができる 極彩色のアルプス山脈 アルペン踊りをさあ踊るのか? 『信号、青に変わったよ。』って誰かが私の肩を叩いた さぁ何色を生きようか
4/30/2023, 4:43:17 PM
『楽園の裏側で』
楽園の裏側で 秘密を持ち寄りアダムにあげよう
金色はやがて剥がれる傲慢な心 それを横目に僕は石膏ボードに虹を描く 道は確かに照らされて矢印までもが示される だけども誰もそこを通らない 転ぶのが怖くって 何より疎まれるのが怖くって怖くって
すぐそこにあるのに見ないふり 楽園なんてそんな場所があればどんなにいいだろうとお喋りしながら多くの人は枯れていく
4/30/2023, 3:12:01 AM
『浮雲少女』
酷い雨にはカラクリがあって 私は上層で其れを見る
列島は大荒れなのに 私の気持ちはたおやかだ
空の上、不穏な風が吹き溜まり 浮雲ハンモックは派手に揺れ動く 行き先不明なるべく遠くへ仰せのままに
4/28/2023, 6:40:01 PM
『或る日の瞬間移動』
どれだけの夜を超えても 光の速さに追いつけない
私の瞬間移動にも限界があるようだ 人間の中では超人だが、それは人間界だけでの話。 中途半端に人間を超えたから 見ることのない世界の住人をみてしまった そこにある仰天の文明を垣間見てしまった