天坂えみる

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4/10/2023, 11:57:03 PM

         『春の嵐』
春の嵐 優しくて厳しい風が吹く 花々が散っていく
まださよならも言えてないのに 私はアスファルトの上 息を呑む 新緑が芽生える あの子の自己紹介が
聞こえる 優しさも厳しさもひとつ残らず拾い集めて
次の唄を口ずさむ ああ、木漏れ日だ 私はまた息を呑む

4/9/2023, 5:25:12 PM

   『フルーツケーキにグレープジュース』
その甘酸っぱさに寄り添って 幾許かの夜を超えてきた フルーツケーキにグレープジュース 何気なしの取り合わせ 君はほろ苦い笑顔を浮かべる 馴染みの駅の昔からある洋品店の裏事情を妄想しながら歩く
行きも帰りもそうだった 君も一緒になって妄想して歩く フルーツケーキにグレープジュースなんともいえない取り合わせ

4/8/2023, 11:41:10 PM

       『少しだけ永遠』
膝小僧擦りむいて 強めの風が頬を撫でまわす
永い坂道で少し疲れたんだ キッチンでお茶を淹れるよ そこに君がいて君たちもいる そんな当たり前のことが奇跡だなんてね 笑い合ってお茶をこぼした
このままずっとなんてわがままかな? 少しだけ永遠なんて言葉を頼りにして また次の朝を待っている

4/7/2023, 5:40:28 PM

        『夕日の半分』
沈んでく夕日の半分どこいった? お昼にかじった煎餅みたくまるで半分なくなった 甘辛醤油か塩味か
サラダ味なんてのもあったっけ? お腹と背中がくっつくなんてまさにその通り 夕日は煎餅 煎餅は夕日
境界線がなくなって もうすぐ夜がやってくる

4/6/2023, 3:42:08 PM

       『気がつけば猫の目』
本日もお日柄よく縁側 はぶ茶を啜り白昼夢
先日行ったデパートの包装紙のような白 潤んだ瞳が感知する 知らない世界に行ったよな カレイドスコープにも似ているような 暗闇とは馬が合うその瞳
SF小説好きな私は 想像ばかり膨らます

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