『離陸』
何気なく立ち読みしてる雑誌の内容 記憶にないな
時間を潰してるだけだから 君に優しくできたらいいなぁと思って カスタードたっぷりのシュークリームを選んでる 地元では結構評判のいいお店だよ
小さなカフェスペースもあるんだよ 今度どうかな?
一緒にどうかな? 思ってるだけじゃ何も変わらなくて 感情だけが離陸していく あーあ行っちゃったな
雲に紛れてもうどこだかわからないよ 悲しくなりたくなくて またコンビニで立ち読みしてる 何気なく
ただ何気なく 傷つくのが嫌なだけなんだ
『花花半被』
しわあせなのはとてもいいことです セロトニン過多
ぼーってしてしまう 秋の白昼。。でなかった!今は春の真っ最中! ど真中ストレートっていうやつだ
そういえば桜が咲いている 屋根の上からひとつの風景を見ているのも好きだけど ゆっくり歩いて風景を拾いあつめる時が私は一番好きなんだ
『あの詩人』
逆さの蝙蝠傘のような心持ち 生春巻を食べながら
あの詩人の詩を思い浮かべる 誰もが詩人であるけれど あの詩人はやはり良い なんか良い 私の心に挨拶もなしに上がりこんできたのに 嫌な感じがしない
許してしまって良いのだろうか ひと言忠告すべきだろうか 私の道徳心が天秤でシーソーを始めたようだ
『魚になれないわたしたち』
水槽の魚を眺めるあなたとわたし 息をするのが窮屈だから魚になりたいとあなたは言った 魚になってもわたしたち えら呼吸に慣れなくて結局窮屈な思いをするよ とはいえ水中は一見、素敵に見える
陸に上がりたい魚がいたら ぜひともお会いしてみたい きっと話が弾むはず
『されるがままは好きじゃない』
捌かれるわたしの躰 このままではいられない
ただのお肉になりたくない 心はあるのに動くのに
誰の栄養にもなりたくない 誰かの一部だなんて
嫌だ嫌だ嫌だ 私は私 いつまでもいつまでも