『バレンタイン』
空は蜜色 冷たい風に頬が薄らぐ 胸の高鳴りが彼方此方で聞こえてくるよ 私も私で気が気でなくて そわそわという言葉の本質に辿り着く そんな想いでバレンタイン 今は2月の真っ最中
『待っててね』
電気屋さんは情報過多 私は路上に倒れ込む
白い闇すなわち気絶 ほんの少し美しさを感じる
いつか私が目覚めたら 待っててね また友だちを始めよう
『伝えたいこと』
あなたに伝えたいことがあって 胸騒ぎがして走り出してあなたを必死に探すけど あなたはいつも世界の裏で釣りをして過ごしてる 出会えるはずない魚を追ってあなたはあなたで胸騒ぎを覚えてる 裏に行けない私はいつも 砂浜の流木を愛撫する 胸騒ぎがテレパシーならいいのに この鼓動で関わりあえたらいいのに
『この場所で息をする』
私の心が疼く時 言葉はなぜか降り積もる 積雪を掻き分けて適切な何かを探す 再びあなたに逢えたなら
私は何を伝えよう 言葉はナイフ刺し違う事が怖くって 散弾銃のように喚き散らしてしまうのだ そんな時にも月はきれいで 夜はこの星がつぶらなことを教えてくれる だからその場所からそっと離れてこの場所で息をしよう 深く深くできるだけ裸になるように
『例えば彼女の』
例えば彼女の花の植え方 紅茶に入れる角砂糖の溶かし方 もっと言うと服の上下の配色センス 誰もがみんなおかしいと感じている 彼女に面と向かっておかしいとは言わないが 裏で口を合わせて彼女のことを3時の紅茶のあてにしている 例えば私の花の植え方 紅茶に入れる角砂糖の溶かし方 もっと言うと服の上下の配色センス 彼女のようになれたらいいとほんの少し模倣する 彼女に面と向かって素敵だよとは言えないが いつか彼女と3時の紅茶を飲めたらいいなと思ってる