1/20/2023, 12:09:11 PM
『潜水』
わからずやを海に投げ 純真の船を出せ マドロス達の大団円を鼻で笑って 潜ってく 深く深く深く
いつのまにか眠ってて 胎内の記憶が蘇生する
ここがそうか 生まれる前の新世界
1/19/2023, 12:11:35 PM
『君に会いたくて』
君に会いたくてここに来たんだ 開かないと思っていたドアが開いた時 ドキドキ胸が高鳴って 夢って叶うんだなぁって思った お好み焼きとおにぎりを食べた それとみそ汁も どれも美味しかったけれど
僕は内緒でチョコをかじった アーモンドの歯応えを
君に気づかれないように
1/18/2023, 11:17:04 AM
『それはもう読まない』
例えばそれはカビの侵食が抽象画に見えるように
記憶の奥に垢がたまって言葉さえ失うように
一見清らか人の包丁を持つ立ち姿の恐ろしさ
草木の生えない大地がまた増える 積み上げられた
日常の記憶の束 きっとそれはもう読まない
1/17/2023, 12:44:58 PM
『風の名前』
真っ白な吐息を連れてくる 風の名前を内緒にしておく 悴んだ手は風の置き手紙だ ベンチに座り独り
空文字でお返しの手がみを書いた 極めて匿名性の高いその手紙は葉っぱと一緒にくるくるまわる 冬のダンスだ くるくる踊る
1/16/2023, 1:20:56 PM
『美しすぎる』
眼に頼り過ぎて 大事な何かが見つからない
言葉が手に余り 失言が独り歩きする
初めの一歩を踏み外し 膝小僧に血が滲む
今日も生きて 思いは募って 手紙にしたらキリが無い みっともなくて涙目が出ちゃう
美しすぎる 美しすぎる