10「鳥のように」
鳥のように、空を飛んでみたい。
それが俺の昔からの夢だった。
そんな俺が社会人になった。
終わるわけないノルマの仕事に、帰れるわけない空気。
俺が入ったのはブラック企業だった。
逃げた。でももう社会に復帰できるわけない。
トラウマが襲い掛かってくる。
椅子から足を離す。
「おそら、とべたね。」
そんな子供の声が聞こえた気がした。
来世は、鳥になって自由にとびまわっていたいな。
9「さよならを言う前に」
さよならの
ような
なあなあにできない言葉は
らすとちゃんす
を逃す前に
いわないと
うまれてくる想いが
まるで鎖のように みらい
えのチャンスを
にがしていく
8「空模様」
今日の空模様は最悪。
明日はもっと晴れたらいいな。
7「鏡」
鏡に手を伸ばす。
ブワッ。
鏡の中に吸い込まれた。
暗い。何も見えない。あてもなく歩いた。
すると、光が見えてきた。走って確かめる。
それは、幼少期の俺だった。
幼少期は、人生の光が当たっていた時だ。
泣いた。今は前も見えない程暗いなんて。
前も見えない、、、?いや、確かめるんだ。
逆に走った。すると、案外すぐに光が見えてきた。
また少し引き返してきた。
目が慣れたのか、そこには入ってきた鏡があった。
手を当てる。
ブワッ。
現実に戻ってきた。
明日からも頑張ろう。光はいつか見える。
6「いつまでも捨てられないもの」
僕には、いつまでも捨てられない記憶がある。
落ちこぼれの僕が一位になった時の事だ。
お母さんといっしょにたくさん練習して、やっと一位になれたときのこと。
二人で涙を流して喜んだ。
だが、そこからは転落して行く一方。今は引きこもっている。
そんな今が、昔の記憶によって凄く辛い。
一度あの快感を味わってしまった。毎日そんな扱いを受けていた人が居るなんて。
羨ましい。憎い。
でも、今からじゃ、間に合わないんだよな、、、
「もういいや。来世に期待。」
僕はそうやって命を断った。
次はもっとマトモな人生を送れたらいいな。