特に思いつかないけど、強いて言うのであれば恋のことだろうか。
君に対するね。
こういうのは言葉で伝えるのがごもっともだと私は思うが、
できた試しがない。だから、ここに書いてしまおう。
私は君のことが好きだ。この世界の誰よりも好きだ。
会った時から感じていた。君が私の運命の人だって。
君の笑顔、寄り添い方、話し方
全てが私の光となっていたんだ。君はまるで天使のような。そんな気がした。
私はそんな君にとってどんな存在なのだろうか。
考えてばかりは嫌だけど、こればかりは考えるしか無さそうだ。
……あれ、ここに書いてしまったら、もうそれはどこにも書けないことでは無いのでは…?
ーどこにも書けないことー
時計の針がチッ、チッと音を奏でる。
私はこの音が嫌いだ。昔からこの音を聞くと恐怖に駆られるから。
最近は慣れてきたのだけど、心の奥底ではまだ恐怖を感じている。
そんな時だった。ピコンとスマホの通知が鳴る
今暇なんだけど、一緒に絵描かない?
君からのLINEだった
OK!でもどっちの家?
俺ん家でいいよ〜
ありがとぉ~!
と返して急いで準備をする。ハンガーに掛けてあったパーカーを羽織って私は外に出る。
その時鳴っていた時計の針の音は、私を励ましている気がした。
そう思うと次第に、時計の針の音が好きになった。
ー時計の針ー
君と離れてから、長い時間が過ぎた。私は別の友達といることで、心に空いた穴を埋めていたはずだった。
だけど、私の心に空いた穴は埋まらなかった。それに加えて大きな虚無感が、私を襲う
その無限ループにはもう飽き飽きだ。
そう思いながら、私は布団に入った。
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気づいたら、私は黒いロッキングチェアに独り座っていた。
私はそこから居なくなろうとして立とうとすると
「やあ、文風海喑」
「え?」
「あ、動揺させてしまったか。私は君だ。」
「本当ですか。」
「ああ、本当さ。」
「ドッベルゲンガーですか?」
「いや違う。というかこんな雑談してる場合じゃない。早速本題に入ろう」
「今からいくつか質問をする。君は、思ったことを率直に言うだけで構わない。」
「分かりました。」
「では一つ目、君は何故あの子との縁を君自身から切ってしまったんだい?」
「それは、私があの子といると、迷惑かけたり、荷物になったりするかなって思って。」
「そうか。では二つ目、君はあの子ともう一度あの時のような日々を過ごしたいと思うか?」
「思うよ。あの子と離れた時から、心にぽっかり穴が空いたっきりだし、それをほかの人では埋められない。大きな虚無感が、私の中にずっといるんだ。だけど、あの子はそれを許してはくれないだろう。なんせ、これは私のエゴに過ぎないから。もう私には諦める道しかないような気がしてきたよ。」
「諦め半分、やり直したい気持ち半分ってところか。では次が最後の質問だ。」
「お前が諦めた、あの子はお前にとってどんな存在だった。お前はあの子との出会いを悪い経験として受け止めているのか?そして、」
「お前は今でも、あの子を愛しているか?」
その質問を受けた時、私の視界がぐにゃりと歪んで、滴り落ちる感覚がした。
「私は、私は今でも、あの子のことを愛してる!この世界の何よりも!私はあの子と会った事、あの子と話したこと、全てが運命だと思ってる!あの子は私にとって、光だったんだ!間違いだらけの私を救ってくれた!
なのに、なのに……」
私は床に崩れ落ちる。そして私はただひたすらに泣いた。
「これで質問は以上だ。今のお前には、やることの目星はついているだろう。私は何も言わない。
もう直ぐお前はここから居なくなるだろう。まあ、また逢うことがあったら、あの子の話、聞かせてくれよ。」
「うん!」
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私は目を覚ます。どうやら夢だったそうだ。私は君が一体誰なのか。本当に私なのかを考えながら外に出る準備をする。私は向かいにある君の家に行ってインターホンを鳴らすと「はーい、」という声が聞こえてきたから
「海喑だよ〜」と言うと急にドアが開いて、君が出てくる。君を見た瞬間私は泣いてしまった。君は少し焦りながらも私を家に入れてくれた。
「落ち着いた?」
「うん…ごめんねわざわざこんな対応してくれて。」
「それでさ、海喑は何か言いたいことがあって、俺ん家に来たんだろ?」
そう君が言った瞬間、私は君に抱きついてしまった。
「私、君ともう一度話したり、絵描いたりしたい!あの時一方的に君との縁を切っちゃったけど、またやり直させてくれる?」
「ああ、もちろんだ。」私のことを君はぎゅっとしてくれる。
私は君とまたやり直すことが出来たんだ。
そう思うと嬉しさと、安堵の気持ちが同時に溢れるようにやってきて、私はそこで、
「愛してる。ずっとずっと」
と今までにないとびっきりの笑顔で言ってみせた。
ー溢れる気持ちー
君のところから離れよう。
私はそう考えた。君のところから離れたらどうなるだろうか。
というか、君のところから離れた方が、いい気がしたんだ。
そう考えていた、深夜二時。
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翌日─
君は唖然としながら私にまた問いかけてくる。
「ホントに言ってる?」
「そうだよ。君とはもう話さない。じゃあね。」
と言って、手を振る
私からやめたはずなのに、もう一度やり直したい気持ちでいっぱいだ。
どうして。
私は君と一緒にやりたかったこと、したかったことはもう無いのに。
あっ、
やり残したことといえば、
最後に君に、
キスしたかったな。
そんな未練を噛み締めながら、
私の思い出をポイッと、ゴミ箱に捨てた。
ーKissー
1000年先も君といられるだろうか。
生まれ変わりを繰り返して、君とまた一緒にいられるのだろうか
そう考えていると時計の針が24時を指す
寝なきゃと思ってLINEでお休みと言おうとしたら、
俺らはどれだけ生まれ変わっても、一緒にいられるのかな。
というようなメッセージが送られてくる
私はクスッと笑ってしまう、考えてること同じなのかな。と思ったから。
私は聞く、
1000年先も私たちは一緒にいられるかな、と。
君はすぐに返事を返してくれる。
分からないけど、俺らならいられるんじゃないかな。
と。私はやっぱり君のことが好きだ。君は私のことをどうやって思ってくれるのだから。
君の返信を見た瞬間私は思った。
私たちなら絶対、1000年先も一緒にいられるだろうと。
一瞬、私がラインを開いた目的をわすれかけたが、すぐに思い出し、
もう夜遅いから寝るね。また明日、という内容のメッセージを送る
うん、また明日!君はこう送ってくる。
ー未来の私もこうやっているのだろうか。
未来がほんの少しだけ、楽しみになったな。
と思いながら私はベットの中に入る。
ー1000年先もー