ダズンローズを贈ろう。
感謝。
誠実。
幸福。
信頼。
希望。
愛情。
情熱。
真実。
尊敬。
栄光。
努力。
そして永遠。
すべてをあなたに。
#花束
友だちに悩みを相談された。
うんうん辛かったね、と聞いてあげたけど、
理解が出来なかった。
なんでそういう状況になり得るの?
なんでそういうことで悩めるの?
失礼だって分かっている。
この胸のわだかまりはどこに捨てればいいのだろう?
友だちとも気まずくなりそうだ。
#どこにも書けないこと
嫌だ嫌だや嫌だ嫌だ嫌だ嫌だや嫌だ─────
動かないで。
あなたとの時を共有していたいの。
なのに。
なのにどうして?
あなたは進んでしまうの?
あっあああっああっあっああああっ
わたしを置いて行かないでよ
#時計の針
「ソティ、ちょっと手伝ってくれない?」
母は、昔から私のことを「ソティ」と呼んだ。可愛い響きで、その呼び名は私も気に入っていた。けれど、どうして呼ばれていたかは、少しも分からない。母が亡くなったこの機会に、考えてもいいかもしれない。私だって、母の遺産だ。
本名から推測してみる。「古賀須 澪子」。これで「こがす みおこ」と普通に読めるだろう。確かに、名字も名前も、ありふれたものとは言い難いかもしれないが、だからといって珍しいと上げられるものでもないだろう。ならば、本名は関係ないのかもしれない。
いや、関係ある気がする。母は私を産む直前父と離婚した。そのときに、名字をわざわざ古賀須にしたと聞いている。戸籍をいじったと。ならば、関係あるのではないか。
古賀須。こがす。「こ」が「す」。まさかとは思いつつも、偶然ではないような気がしていた。
澪子の「こ」を「す」に変える。そして、「ソティ」と組み合わせると、
ミオソティス。勿忘草だ。確か花言葉は、「真実の愛」。
そうたどり着いたのはいいものの、何を思ってこれになったのだろう? なんだか釈然としない。
と思ったけれど、きっと母は父に未練があったのだろう、と気づく。
気持ち悪いなと思った。
#勿忘草(わすれなぐさ)
あ、これが世界の果て?
ふうん、結構つまんないの。
もっとさびれているのかと思っていたわたしは拍子抜けだった。まるで迷路の行き止まりのように、目の前に壁が現れたから。普通人が入れないような場所だというイメージじゃない? それなのに。
けどなんか、あそこに扉あるくない?
どうせつまらないものなんでしょ。
そう思いつつも手を伸ばして開く。
光が差した。
#旅路の果てに