クリスマスイブの「イブ」ってイブニング(evening)のイブだと思うのだが
イブの夜って単語が通じる日本すごいな
#イブの夜
『ごめんなさい、わたしもう帰らないといけないの……!』
そう言いながら王子様の手を離して、出口を真っ先に見つけて駆けた───────
「お前、なんで舞踏会にいたんだ?」
継母は言った。わたしは城を出る前に12時の魔法が解けて、その瞬間を義姉に見つかってしまった。
「部屋の掃除と皿洗いを命じただろ。何勝手に舞踏会行ってんだよ」
ごめんなさい、としか言いようがない。いくら舞踏会に行きたかったとはいえ、仕事はきちんと済ましておくべきだった。いや、義姉に見つかってはならなかった。
とその時、コンコンとノックの音がした。聞くに、その舞踏会で靴を落とした人を探しているらしい。その靴の持ち主が、王子様のお気に入りの人だと。
「履いてみてもいいかしら?」
義姉は言う。
「いや履かなくても分かります。あなたの家で最後なので」
義姉の顔が明るくなった。わたしの顔は絶望に染まった。
#ベルの音
「お前の彼氏、クリスマスは友だちと遊びに行くらしいよ」
「え、まじで?」
元から一緒に過ごす気はなかった。クリスマスよりも、年末一緒に過ごしたかった。
けれど、けれどよぉ! なーぜ知らせない? なぜ? いいんだけどね、わたしはあなたにそう言ったし。
理屈ではわかっているのだけれど、なんだか解せないなあ。
#寂しさ
高校生の会話なんて、
中身がないものばかりだ。
部活がどうとか、
恋愛がどうとか、
ドラマがどうとか、
サッカーがどうとか。
全てがくだらなくて、
聞くに耐えなくて、
学校を辞めた。
学校とは勉強するところだ。
けれど今なら思う。
部活を頑張ることも、
恋愛を頑張ることも、
ドラマを知っておくことも、
サッカーを知っておくことも。
きっといつか役に立つかもしれない。
そのとき要らないことでも。
今はちょっぴり後悔している。
#とりとめもない話
目がチカチカする。イルミネーションは苦手だ。あんな電力を膨大に食わせるだなんて、考えついた者を問い質したいくらいには苦手だ。
だとしても、イルミネーションを見たら冬だなあと思う。何故イルミネーションは冬の代名詞になっているか、調べてみた。
かの偉大なGoogle先生によると、「空気が澄んでいるから」
らしい。夜が始まるのが早いからだと思っていたわたしは、驚いた。
冬に空気が澄んでいるなら、と思って深呼吸をする。冷たい空気が肺を凍てつくしそうだけれど、体が浄化されていくような気がした。
#イルミネーション