焦燥感。わたしが悪いのに、どうしてもやるせない。
勝手にできた心の傷が、確実にわたしを蝕む。
相手を悪者に仕立て上げ自分を正当化しようとしている自分に、反吐が出る。
過去には戻れないのだからって割り切っても、割り切れない。人生は素数だから、自分で割り切らなければならないのに。
#さよならは言わないで
「ねえねえ、明日遊ぼ」「うんいいよ」
わたしから誘ってばっか。わたしから言ってばっか。わたしからばかりなのに、君はわたしのこと好きだなんて戯言言うんだね。嘘つき。
君の気持ちが本当に聞こえなくて、辛い。
#距離
わたしが居なくなったことは悲しんでしまうと思うけれど、
大好きなあなたにはずっと笑っていてほしいの。
#泣かないで
早く来ないかなと彼を待つ。まだ11月中旬なのに、薄い長袖じゃ耐えられないほどの寒さだ。そんな中5分経っても来ないだなんて、一発デコピンをかましてもいい気がする。
「遅れてごめん、ちょっと寝坊しちゃって」
「遅れるのはいいんだけど、連絡してほしかったな」
お仕置きとしてデコピンをしてやった。彼は目を白黒させて「痛あ」とかしているけれど知らない。そっちが遅れるのが悪い。
「ほんとにごめん、咲優。拗ねてないで行こ。時間が勿体ないから」
「いや誰の所為だと思ってんのさ。まあいいけど」
彼がわたしの手を引いて歩き出した。彼の手がとても暖かく、わたしを大切に想っているのだなと感じて、嬉しくなる。遅刻されて怒ってた癖にそんなので嬉しくなるなんてチョロいと思われるかもしれないけれど、わたしはそういうものだ、仕方がない。
最近手を繋ぐのに少しずつ慣れてきて喜ぶ自分がいることに気づく。これから冬だし、手汗とか気にせずに繋ぎたいな。
#冬のはじまり
幸せでも不幸でも、その時間はいつか終わるんだって。
でも、幸せなときはずっと続いて欲しい。
そう、今のような時間が。
あなたを愛すことができて、
あなたに愛されることができる時間を。
ずっとあなたを想っていたい、
ずっとあなたに想われていたい。
そしてそれをずっと、噛み締めていたい。
幸せでも不幸でも、その時間はいつか終わるんだって。
でも、不幸なときはすぐに終わって欲しい。
そう、今のような時間が。
あなたを呼ぶことが許されなくて、
あなたに呼ばれることが二度とない時間を。
早くあなたに許して欲しい、
早くわたしを受け入れて欲しい。
けれどそれはずっと、叶うことはない。
#終わらせないで