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12/15/2024, 11:38:09 AM

雪を待つ


天気のいい冬の日、と言うか、冬は基本的に天気が崩れることがない

遠くの空には、黒くて重そうな雲がずーっと続いているのに、この町はいつもいい天気なのだ

それはもちろん、生活していく中ではとてもいいことなのだけど

たまには雪とか降らないかなって期待してしまうのだ

生まれてこの方、雪が積もる様を見たことがないのだから

特に寒くて快晴の日には、風上で降った雪が風に乗ってここまで届くことがある

風に乗って、長い距離を飛んでこれるほどに寒いのだから、本格的に降ってもいいではないか

今冬こそ、雪が降り積もる様を見てみたいと、毎年のように思う

今年もこの地域で、雪を待つのだ

12/14/2024, 11:50:08 PM

イルミネーション


肌を指すような、寒風が吹き荒ぶ夜

隙間を無くそうと、マフラーに顔を埋めながら歩く道

ふと、視界の端に街灯とは違う明るさを見る

田舎らしい大きな家の屋根から、壁伝いに一面、イルミネーションが飾られている

この家の人は、毎年イルミネーションをやっているなとか
屋根から伸びるようにするのは、どうやっているのだろうとか
準備も片付けも大変そうなのに、よくやるよなぁとか

思うことはいろいろあるけれど、つい頬が緩くなってしまう
この季節を全力で楽しもうとしている様子を、想像してしまうからだろう

雪が降るような地域でも、個人宅でイルミネーションってやるのだろうか
その場合、その地域特有の注意事項があったりするのだろうか

寒いとしか考えられなかったことを忘れるほど、楽しくなってしまう

12/13/2024, 1:49:57 PM

愛を注いで


愛とは様々あるものだ

親愛、友愛、恋愛、偏愛、慈愛、博愛…

数ある愛の中でも、一等感情を揺さぶられたのは、あれは無償の愛だろう



遊び疲れ、寝落ちてしまった子を寝床に運ぼうと抱き上げる

腕の中の子が、ふぅ、と深く息を吐き体中から力を抜く

抱き上げた時に少し起きたのだろう
けれど相手が私だと分かった途端、安心したのだろう

いつもと変わらない、何気ない瞬間
他の何よりも純粋な、無償の愛


親が子に注ぐ愛と同じか、それ以上に
子は親へ愛を注いでいる


9/28/2024, 3:04:42 PM

別れ際に

私はいつも誰かと別れる時に、“またね“と言うようにしている。

仕事でお客様の相手をした時も、“今日はありがとうございました“ではなく、“今日はありがとうございます“と言う。

変に思われるかもしれないけれど、ただ過去にするのではなく、また次もあると感じてもらえたら嬉しいと思う。

何より、私自身がそう信じたいから。

一度関わりを持った人に、また次も会えたら、その時に相手が少しでも私のことを覚えていてくれたら、それを誰かに共有してくれることもあるかもしれない。

そうして広がる人との関わりが人脈となって、私や私と関わってくれる人たちの将来を広げてくれるはずだから。

別れ際にほんの少しだけ気をつけていること。

8/20/2024, 10:59:13 PM

さよならを言う前に

学校生活
卒業
別れ
在学期間
別れがいつか知っている

その前に
遊ぶ
語る
喧嘩する
寄り道もして
勉強会はお菓子の交換会になって
いっぱい写真も撮って
後悔をしないように
やりたいことをできるだけやる

でも
卒業した後も一緒に遊ぼう
知っている別れなら、大したことじゃないから
大人になっても
結婚しても
子供ができても
孫ができても
何があっても、良い関係でいよう

知らない別れが来る時まで
本当のさようならを、言わなくちゃいけなくなるまで

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