そう遠くでもない、一年後の話。あなたは何をしていると思う?
今と同じように暮らしているだろうと思っていた。
学生生活が終わるとか、結婚するとか、子どもが生まれるとか、そういう節目の年でもなければ、きっと一年後も今と同じだと思っていた。
今と同じ場所で今と同じ仕事をして、ただ平凡な毎日を過ごしているだろう、と。
でも、現実は思っていたよりも波乱万丈な時もあって。
電撃結婚しているかもしれないし、事故にあって寝たきりになっているかもしれないし、自然災害で今住んでいた場所がなくなったり、突然会社を解雇されるかもしれない。
何も変わらない一年後が十回巡ってきた十年後の未来は?
今と同じように暮らしているとは思えないよね?
積み重なった一日一日、辿り着いた一年後、あなたは何をしていると思う?
【一年後】
恋なんてしたことがない、なので、どんなものが恋なのかもわからない。
胸がキュンとしたら恋なの?
だったら我が家の愛犬に毎日キュンキュンしている。でも、それは恋ではない。
守りたいと思ったら恋なの?
だったら妹や弟を守ってやりたいと思っている。でも、それは恋ではない。
ずっと一緒に側にいたいと思ったら恋なの?
だったら家族が一番だ、ずっと一緒にいたいもの。でも、それは恋ではない。
人間の異性で身内ではない人に、キュンときて、守りたいと思い、ずっと一緒にいたかったら恋なのだろうか。
だとしたら、まだ自分には、初恋の日は訪れていないらしい。
記念すべき初恋の日、いつかできるのだろうか。
【初恋の日】
どうして彼女がいるのに、私なんかに優しくするの?
SNSで知り合った男性、相互フォローで共通の趣味のある彼。
ある日私は、SNS内で叩かれた。特に悪いことをした覚えはないけれども、叩かれた。
外野は煽るだけで、私を擁護する人などいなかった。面白がって一緒に引用して叩いたり、空リプでリアクションをとったり。
そんな時に助け船を出してくれたのが彼だった。表で私を守ってくれて、裏のメッセージでは励ましてくれた。
そんなことをされたら、好きになっちゃうじゃない。
それがきっかけで、電話をするようになった。
毎日メッセージのやりとりを、おはようとおやすみの二回は確実にしてくれて。
まさかオフ会とは言えない人数だけど、何人かで一緒に会ってくれた。
その会った時に紹介された、彼には彼女がいる、と。彼の隣におしとやかな女性がいて、それが彼女だ、と。
どうして彼女がいるのに、こんなに私に優しくしてくれるの?
彼女の方も嫉妬とかしないの?
私だったら絶対に妬いてしまう。彼女でもないのに、今現在、妬いている。
それが彼の長所なのかもしれない。でも、私がその気になっちゃうじゃない。
あの時助けてくれたのは、本当に感謝している。感謝してもしきれないくらいに。
だけど、これ以上、優しくしないで……。
【優しくしないで】
心の中の色はいつもカラフル。
楽しいことや嬉しいことがあったら、明るい色だし、悲しいことや辛いことがあったら、寒色系になる。
痛い時は刺激的な赤だったり、鈍痛だと紫だったり、同じ痛いでも色んな色がでる。
でも、色が薄れる時がある。
それが所謂、鬱の期間なのかもしれない。
それまで色んな色があったはずなのに、ぱったりと薄れてモノクロの世界になるのだ。
濃淡はある。だから薄い時はやる気のないぼーっとしている期間、濃い時はむしゃくしゃして怒ったり泣いたり。
人生山あり谷ありだから、カラフルな時もあればモノクロな時もある。
同じ人生なら、心に彩りを、カラフルな人生のほうがいいよね。
【カラフル】
温泉に入ると、思う。
ここは楽園だなぁ、と。
生まれたままの姿で、ゆっくりと肩まで浸かって、のぼせそうになったら腰かけて浸かって、調節しながら入る。
人によっては、サウナの方が整うというけれども、私は断然、温泉派である。露天風呂だとなおよし。
その浸かっている温泉には効能があったりする。リラックスして入りながら、美肌や腰痛や肩こりなどに効くとは一石二鳥すぎる。
露天風呂なら、四季折々の景色をみることができる。
冬は寒くて夏は暑いが、それでこその露天風呂だ。
鳥のこえが聞こえたり、川のせせらぎがきこえたり。
紅葉を楽しめたり、新緑の気持ちよさ、真っ白の世界に雪を溶かす温泉。
五感全てで楽しめるのだ。
時にはお酒を呑めることもある。
裸で効能のあるお湯に浸かって四季を感じながらお酒をいただく。
極楽、なんて言葉を聞くが、実際の極楽に行ったことがないので、私はこれを「私の中の楽園」だと思っている。
【楽園】