『水たまりに映る空』
　
　すべてが真逆に
　映っている世界
　それが現実だと
　思い込んできた
　全然、違ってた
　水たまりの中に
　天地反転はなく
　空だけが蒼々と
　一層輝いている

『恋か、愛か、それとも』

　君待つ空を
　眺むれば
　我見ゆ先にて
　星は舞う

　熱き思いの
　行方さえ
　知るも許さぬ
　定めなり

　遥か逢瀬は
　遠かれど
　涙の向こうで
　煌めきぬ

『約束だよ』

小さな子が
親と過ごした
道を何度も何度も
歩いてるんだ

なにか言わなければ‥
言ってやらなければ！

そう思いつつ
涙流してついてゆく

僕の手には
縄を持ってて
遠くで
繋がれた猫が
喧嘩を仕掛けられてる

そんなこと
したらだめだよ
約束したじゃないか！

縄を二回、三回と引く
それなりに向こう側の猫も
ぎゅっぎゅっって
引きずられてゆくだけ

・・・
　そこで目が醒めたんだ。

『傘の中の秘密』

すべての鉄線が
その役割を行使し
黒布の中に紛れながら
周到に紡がれている

地上に出れば
ボタンひと押だけで
忌まわしい雨を遮って
我が身を包み込む
はずだった、、

あれッ？
開いては、即閉じてしまう、
押しても、押しても、
バサッ、グルンッ、ベチャッ、

これは
ヤバイのか？
今の自分では
どうすることも
できないのか？

そうだ！
開いた瞬間に
頭を突っ込むんだ！
そして…
柄を地上に向けて
引っ張り続けるんだ！

ザザ雨の降る中で
足だけを恐れず前に
傘の中の秘密が始まる

　『雨上がり』

　虹はいつか消える
　
　けれど

　惜しむ人を知らず
　
　刹那ゆえ