7/5/2025, 8:37:24 PM
『波音に耳を澄ませて』
あなたが
遠くになってゆく
淡い吐息も温もりさえも
みんな海の向こうに消えてゆく
すべてが
なくなるのならば
私もそうなってしまえばいい
その波音に耳を澄ませて
そっと眠れたらいい
7/4/2025, 10:47:59 PM
『青い風』
生きてきたわけを
花に問へば
ヒュウヒュウと
ため息ともつかない
青い風を呼んで
やがてパタリッと
萎れたんだよ
花はいつも正しいです
7/3/2025, 6:44:57 PM
『遠くへ行きたい』
遠くへ行きたいと
思っていたら
ここにいた
また遠くへ行きたいと
思い出している
いったいどこへ行けば
僕の中の動的平衡なのか
何も失いたくない真実とか
ある先生は知らないと笑った
7/2/2025, 9:48:02 PM
『クリスタル』
見つめる夜空の星明かり
遠く、淡く、清く、儚く
窓越し浮かぶ過去の残照
どうしても知りたかった
過ぎて、過ぎて、過ぎて
まだ、わからない、まだ
涙をためてふれる硝子片
7/1/2025, 11:34:22 PM
『夏の匂い』
なにものかの
纏り付く
一日が始まる
身を擦り潰す
身を削る
身を粉にする
陰に辿り着く
陰に伏す
陰に消滅する
風ひとつ無く
宙に漂う
夏の匂いだけ