『どこへ行こう』

　退路を断って
　堪えるまえに
　その退路もない

　崖っぷちに
　生えた草を握って

　墜落する直前
　のような毎日

　さて、
　どこへ行こう

『君と僕』

もしかして

君が

白き月を愛でる夜は

僕も

遠くを想うことに

いたしましょう


どうしても

君が

すこし悲しくなる夜は

僕は

とてもちいさな声で

思い出話を

いたしましょう

『夢へ！』

あこがれはね..

いつかゆめになる
ゆめは安らぎに変わってゆく

そうなんだよぉ
変わってゆくんだからね

花のように
季節のように

あこがれてた夢へ！
それでいい。

『元気かな』

変わらずの
格子の向こう
コンクリの内壁

鳥は来たか
花は咲いたか

変わらずの
迷彩色の群れ
歩行整列の号令

君は元気か
律は巣立ったか

変わらずの
我が手我が足

変わらずの
我が想我が夢

変わらずの
　時代よ

変わらずの
　明日よ

変わらずの
　現在よ

『遠い約束』

生まれ変わっても
先約があるという...

じゃその次で、と
手を打った

こげな戯れでも
叶うときが...
潜在的に来るのだ

おおよそ七代先までは
効き目が認められるのだ

あと二度の生死

灰になって紛れて、
また灰になって、
はたまた紛れて...

でもな…
モチベーションが
保てるかどうか..

あぁ、幻想ばかりの夜だ
胸の奥の冷え込みがきつい