君の背中を追って

いざ参る


先頭は赤組

背中はかなり遠い


けど、全力を出せば

追い付ける距離


待て！赤！

逃げるな！赤！

もう少し、もう少しなのに‼


歯を食い縛る

ひたすら足を前へ前へ


上半身を前に倒し

目指すは前方まっしぐら


行け！飛ばせ！俺なら出来る！


アンカーのタスキをはためかせ

俺は全力で駆け抜けた




ー君の背中を追ってー

聞いても、はぐらかされ

無視すると、ちょっかい出してくる

あなたの心は、どっちなの？




ー好き、嫌い、ー

気付けば

外ではシトシトと降っている


道は濡れ

所々には水溜まりが

側溝では

雨水が僅かに流れている


こんな時に、あなたがいないなんて……


今日は葬式

いつも笑顔で励ましてくれる

優しいあなたは、もういない


散々泣いたのに

亡きあなたを思い出して

堪えきれず、再び涙が溢れ出た




ー雨の香り、涙の跡ー

縦と横


結んで繋いで

織り成すのは


寒さから身を暖める

守り神かもしれない




ー糸ー

届かないのに

望んでしまう　願ってしまう


どんな困難も

乗り越えられる気がして

挑戦せずにはいられないんだ


青春

魔法のような　儚い希望



ー届かないのにー