星乃威月

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4/9/2025, 1:08:24 AM

「またね!元気でね!」


幼い頃に交わした約束から、早何年


スマホも携帯も、普及してなかった頃

親しかった友達は、どこか遠くの街へ行ってしまった


自分の住所も、電話番号も分からなかった

文通をしたくても、方法が分からなかった

声を聞きたくても、また会いたくても

まだ幼かった私には、術がなかった


卒業アルバムにも載らなかった、あの子

今頃、何してるだろう


別れ際、渡してくれた紙

あれが住所だと分かった頃には

名前も忘れていた


せっかく教えてくれたのに

どうすればいいのか分からず

文通をしなかった私を、憎んでるだろうか


笑顔で教えてくれた住所は、今も

私の宝箱の中で眠っている




ー遠い約束ー

4/7/2025, 12:33:19 PM

見渡す限りの 花畑(フラワーガーデン)

晴れ渡る空

咲き誇る花たちを見ようと

集う人々


当たり前の光景

当たり前の日常

まさか 特別だったなんて……


都会に住み始めて間もなく

春になる度

見渡す限りの花々が

見れなくなった


心寂しくなったな……


そんな時に出会った

花屋(フラワーショップ) に飾られてた花たち


あの頃に戻れたら……と

咲き誇る花を見つめては

懐かしき 花の絨毯(フラワーカーペット)を

思い描くのだった



ーフラワーー

4/6/2025, 10:12:19 AM

真っ白な地図に 何を描こうか

黄色い筆で 線をなぞる


細くたっていい 長くたっていい

横には 木々や花を描いて

これからの人生を 華やかに

今までの努力 根性 抜きにして

色鮮やかな道を 描いて行こうじゃないか


きっと その先は 薔薇色だと 期待して




ー新しい地図ー

4/6/2025, 4:02:09 AM

目で追うのが やっとで

近くに来れば ドキッとして

あなたの匂いがする度に 胸がキュッとなる


手を伸ばしたくても 触れたくても

あなたに嫌われそうで ジッと我慢


あなたの声が聞こえる 笑い声が聞こえる

あなたの笑顔を見てるだけで

こんなにも幸せなのに


なんだろう この感情は──




ー好きだよー

4/5/2025, 4:02:28 AM

たった一人で 根を生やし

たった一人で 枝を伸ばし 

たった一人で 長い冬を 堪え忍んで

たった一人で 花咲かせ

たった一人で 満開に

たった一人で 花散らし

たった一人で 青々とした 葉を生やし

たった一人で 葉を 紅葉させては

たった一人で 散ってゆく


また 長い長い冬を 堪え忍んで

たった一人で 返り咲き

たった一人で 儚く 散りゆく



なぜ 人は

桜を 人に見立てて 逝くのだろう


可憐に咲いて 可憐に散りゆく 桜の生き様も

尊く 儚いからだろうか



桜は いつ見ても美しい

いつの時代も 人の目を 引き付けて止まぬ




ー桜ー

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