雪をまつ
ベランダの若干積もった雪を手でなぞってみる。
冷たい
きんと全身がこわばるような衝撃。
たまらず私は指をはなした。
第一間接まで埋まった人差し指は、その部分まで赤くなっている。
しもやけかも
そんなわたしを横でみていた彼は、呆れたように両手を私の人差し指に包み込んだ。
あほか
先程までポケットに手をいれていたからか彼の手は温かかった。いや、それもあるだろうが。雪があったからより貴方を感じられたのかも知れない。
あたたかいね
おまえが冷たすぎるんだよ
不器用なあなた。そんな貴方のやさしさがこんなにも愛おしい。
もっと雪が積もったら雪だるまつくろうね。
おい。また手が冷えたらどうするんだ。
大丈夫。何度だって私を温めてくれるでしょ。
それだけで、十分よ。
有名な人の歌なんだけども。
さようならを、僕たちの幸せを探す最初の日て表現していてすごいなて思った。
それだけ。
鏡の自分を見続けてると、照明が反射していて最初は眩しく感じる。だけど段々と私がはっきり見えるようになっていく。そして私の黒目に私は吸い込まれていく。お風呂の鏡なんて水滴が私の目を写すから沢山の人に見られているよう。それがなんだか怖いんだけれど、癖になってしまってついつい私は眺めてしまうのだ。
困ったときは私に相談してね。
私の足が届くのならいつでも駆けつけるわ。
私の手が届くのなら頭を撫でてあげる。
私の声が届くのなら何度だってあなたに言葉を届けるわ。
だから、泣かないで。
ねえ、これつけてみて。
指輪かい。
そう、ゆびわ。あなたにぴったりかなと思って。
はは。
こういうのは男の俺が渡すものじゃないかい。
いいの。今は女から渡すものなの。もう、勿体ぶらないではやくつけてよ。
はいはい。ほらつけたよ。うん、ぴったりだ。
当然よ。それにみて、私とのペアリングなのよ。
こうして2人でつけてると本当の夫婦みたいね。
あらどうしたの。そんな驚いた顔をして。嬉しくないの。
いや、嬉しいよ。ただ名前が違うから。
知ってる人でしょ。
え。
知らないの。
知らない。
じゃあ、ちがったのね。
ちがった、て。
なんでもないわ。とにかく嬉しそうでよかった。
そうか。
ね。これからも一生いてくれる。
これからも一緒だよ。
そう。ならよかったわ。
これからもずっと一緒よ。ずっとね。ずっと。
目移りなんて許さないんだから。