題:糸
一時期、私は手芸にハマっていた。
特に飾り付けをするのに刺繍をほどこしていた。
チェーンステッチ、サテンステッチ、
・・・いろいろなステッチを練習したなあ。
それ以外のステッチは忘れちゃったけど、
刺繍にハマったおかげで、なぜか玉結びや玉止めが
ちょっと上手くなった気がする。
刺繍糸も、色にこだわって、
わざわざ手芸屋さんに行って選んでいた。
モチーフとして色とりどりの花を
布上に表現することが多くて、
色を元にした花の色に近づけたかったのだと思う。
今はそのときの作品は残っていない。
昔を思い出していたら、
また創作意欲が・・・とはならなかった。
現実には、物語のようにそうそう意欲が上がらない。
でも、せっかくだから、
最近の刺繍の図案集でも読んでみよう。
題:届かないのに
我が心届かないのに星涼し
題:記憶の地図
とある日、
色鮮やかな花々が咲き乱れる
どこかの庭園で、
ひとりの絵描きが
大きいキャンバスに
絵を描く。
その絵には、
喜びに満ちあふれた「森林の空気がおいしい国」
怒りに身をこがした「激しい業火に包まれた国」
哀しさに沈んでいた「優しい風雨がやまない国」
楽しみにつつまれた「豊かな山村の存在する国」
などたくさんの国が描かれていた。
そして、まだ描かれていない
真っ白な部分にも、
じっと見つめている間に
どんどん描かれていく。
わたしはそっと問う。
ーー絵描きさん、この絵はいつ完成するのですか?
絵描きは筆を止めずに答える。
ーーおまえさんが「かくりよ」へ旅立ったら完成さ。
この絵は
おまえさんの
「記憶の地図」なんだからな?
題:マグカップ
お気に入りの
マグカップ使って
お気に入りの
紅茶を飲む
それが私の
リラックスできる瞬間
ふぅ
題:もしも君が
もしも君が
・・・もしも「あなた」がいなかったら
一つひとつのおこないに
まわりがスリルを感じるくらい
一つひとつのおこないが破天荒だった「あなた」
酒癖が悪すぎて
物理的にも精神的にも
被害を及ぼすこともあった「あなた」
思いつきで行動するわりには
気が小さくて
後でウジウジしていた「あなた」
もしも「あなた」がいなかったら
ワタシノ ココロガ コワレテシマッタトキ
「わたし」は「わたし」で
いることができなかった
「わたし」のままでいいんだと
信じることができなかった
・・・もしも「あなた」がいなかったら
「わたし」は 今 存在できなかった
「わたし」も照れ症だから
ことばにしなかったこと
どんな「あなた」でも
「わたし」はキライでスキでしたよ
・・・おとん。