題:記憶の地図
とある日、
色鮮やかな花々が咲き乱れる
どこかの庭園で、
ひとりの絵描きが
大きいキャンバスに
絵を描く。
その絵には、
喜びに満ちあふれた「森林の空気がおいしい国」
怒りに身をこがした「激しい業火に包まれた国」
哀しさに沈んでいた「優しい風雨がやまない国」
楽しみにつつまれた「豊かな山村の存在する国」
などたくさんの国が描かれていた。
そして、まだ描かれていない
真っ白な部分にも、
じっと見つめている間に
どんどん描かれていく。
わたしはそっと問う。
ーー絵描きさん、この絵はいつ完成するのですか?
絵描きは筆を止めずに答える。
ーーおまえさんが「かくりよ」へ旅立ったら完成さ。
この絵は
おまえさんの
「記憶の地図」なんだからな?
6/16/2025, 12:42:40 PM