7/22/2024, 11:46:27 AM
じいちゃんに肩車してもらった
初めて天井が手に触れた
空みたいだったのに
あんなに遠かった天井に初めて触れた日に戻りたい
7/3/2024, 2:06:53 PM
やっと手に入れられる
ダンジョン降下 階層666層目
長年に渡って求めてきたもの
冒険者として
王族からは何の見返りも貰えずに駆り出され、市街で厄介者扱いされることもあった
でも、3人の仲間と共に楽しかった
飯食って、寝て、戦って、失恋して、慰めて、喧嘩して
ずっとそれでよかった
関わったこともない王も倒した
なのにアイツは仲間を殺した
お前は最弱 野垂れ死ねと
仲間の死を無には返さない
アイツこそ
長年探していた人族が使うと記された聖剣
ワタシも身体がいずれ溶け、無に消える
だが、ワタシは魔族として アイツを 魔王を滅ぼす
何があろうと 絶対に
『この道の先に』
6/23/2024, 4:06:25 PM
お化けが苦手だった
暗いのが怖かった
自分の部屋にもひとりじゃ行けない
夜が早く終わって欲しかった
絵を描くのが楽しかった
みんなでいるのが心地よかった
今じゃ、真逆の存在
同じ人間って言えるんだろうか
6/21/2024, 3:02:36 PM
俺は人が色に見える
当たり前だと思っていたが'少し人とは違うらしい
人の頭上、色の丸がある
「今日さぁ、家出る時にー」
お喋りなこいつは黄色に少しグラデーションがかかったような色
「…くあぁ」
さっきから欠伸ばっかしてるのは紺色
「…欠伸ばっかしてないで話聞いてやれよ」
おかんで少し不憫なこいつは………
淡く海を紙に透かしたような色
廊下を走っていく
初めて見た色だった
「お前もなんか言ってや……顔、あかっ!?
この一瞬でなにがっ!?」
下敷きで仰がれる
海が駆けていく光景が眼球にくっついたように離れなくて
湯気はまだ消えそうにない
"好きな色''
6/18/2024, 2:39:21 PM
雲が落ちる
滝のように
光が少しだけ透けた
穴の中に緩衝材として
俺の中に緩和剤として
入ってきてくれればいいのに