保育園に子供を迎えに行った帰り道。職場を出る前に雨が上がって良かったなぁと思いながら歩いていたら、我が子が突然走り出して大きな水たまりに入り
「おそら、ふんじゃったぁ」
と言いながら水たまりの中で足踏みしたり飛び跳ねたりし始めた。そのたびに水たまりに映る空が揺れている。
「あー!もう!水たまり入っちゃダメでしょ!?靴が濡れちゃうじゃない!あーあー!ズボンも汚しちゃって!」
そう怒りながらも私はスマホを取り出して構え、我が子を動画におさめているのだから、これじゃあ説得力ないや。
私ったら親バカだな……。
ある日、僕はただの女友達だと思っていた友香に告白された。他に好きな子もいなかったので、僕は彼女の告白を受け入れることにした。
もともと友達だったのもあって友香と過ごす時間は心地良かった。長く一緒にいればいるほど、僕の中で彼女との時間が愛おしいものに変わっていくのを実感した。あの日、あの子に出会うまでは。
ある日、職場に新しく入ってきた女の子、花恋。彼女を一目見た途端、僕は雷に打たれたような衝撃を受けた。一目惚れだった。その衝撃は友香と過ごした日々を一気に覆すほどのものだった。花恋との距離はどんどん縮まっていき、両思いだと確信した僕は、罪悪感を抱きつつも友香を捨てて花恋と付き合いはじめた。
けれど花恋は思っていたような子ではなかった。デートに行けば僕が奢るのは当たり前。子供っぽくてわがままで、家事も全然しない。最初のうちは可愛いからで何でも許せたけど、付き合ってるうちにだんだん疲れてきた。
その点、友香はいい女だった。僕が奢ると言っても断るし、僕に甘えてくるようなこともなくて。当時は可愛げがないなんて思ったこともあったけど、あれは彼女の思いやりだったんだ。友香がデートの時に作ってくれたお弁当も美味しかった。
そう思い始めたら友香との良い思い出ばかりがどんどん浮かんできて、逆に花恋の悪いところがますます目につくようになってきた。
僕が本当に愛していたのは友香だったんだ。それに今更気づくなんて、僕はなんて馬鹿なんだ。
僕は花恋に別れを告げ、友香に「よりを戻そう」と連絡した。だが、友香から返されたのは冷たい一言。
「ごめん、あたし今、他に好きな人いるから」
僕のアプローチも虚しく、間もなくして友香には新しい恋人ができたようだった。友香の隣で歩く、僕より背が高くて顔が良い男。僕は笑いがこみ上げてきた。
僕が見た目で花恋を選んで失敗したように、いずれ友香も見た目で選んだあいつに失望するに違いない。自らの過ちに気付き、最後には僕の所に帰ってくるんだ。
その時が来るまで、僕はずっと君を待ってるよ。君がいつあの男と別れてもいいように、僕が君をずっと見守っててあげる。君が僕を忘れないように、僕は毎日君に愛を伝えよう……。
こうして彼は元恋人にまとわり続け、数カ月後、通報され逮捕されるに至った。彼はこれにより仕事をクビになり、友人も彼から離れていったという。
彼の人生を狂わせたのは何だったのか。
恋か、愛か、それとも……。
「約束だよ」って友達に言われたのに時々忘れてすっぽかしちゃって翌日責められるし、今日の宿題が何なのかわからなくてできなくて先生に怒られたり、あの頃は大変だったな。
高校の時は手帳を使ったりしてたけどね、手帳を開いて確認すること自体を忘れちゃうから、やっぱり予定を忘れちゃうんだよね。
そんな私の人生を変えたのはこれ、スマホ。この中にはカレンダーもリマインダーもあるし、予定入れておけば通知で教えてくれるんだよ。なんて素晴らしい文明の利器。学生時代の頃からこれがあればもう少し楽な生活が送れたと思うんだよね。
私の高校、校則で「スマホ持ち込み禁止」だったからなぁ。だから親にスマホ買ってもらえなかったんだけど。でもね、実際はみんなこっそりと学校にスマホを持ってきていたの。だから私だけクラスのグループラインに入れなくて孤立したんだよね。ちゃんとルール守ってる人が損して馬鹿みたい。
……って、ごめん、話が逸れたけど私が言いたいのは、忘れちゃうからスマホにメモが必須ってこと。私がちゃんと仕事忘れずにこなせているのは頭が良いからじゃなくて、見えるところにメモしたりリマインダー入れたりしてるからだよ。
だから二度と「それくらい覚えられるでしょ」なんて無神経なこと言わないでよね。約束だよ?
守ってくれないなら、来週の君とのデートの約束、覚えといてやんないんだから。
雨の中、傘を差す
雨が上がるまでに泣き止まなきゃ
取引先との商談を終え会社から出ると、しばらく降っていた雨が上がり、空には見事な虹がかかっていた。俺は思わず
「虹が綺麗ですね!」
と、隣にいた先輩に言った。「知的で仕事ができて美人だけど、何を考えているのかわからなくて取っつきにくい」と評判のこの女性の先輩は、しばしして無表情でこう言った。
「……虹は丸いみたいですよ」
「へぇ、そうなんですね」
へぇ、知らなかった。としか俺は思わなかった。
その話を同期の女性に話したら、何故か彼女はニヤニヤしながら
「おめでとう」
と言った。どういうこと…?
後でネットで調べて意味を理解した俺は赤面した。