失恋、した気分
いつも君のそばにいられると思ってた
一緒にいる時間が長いほうが嬉しいと
お互いに思ってるんだと思い込んでいた
お昼を一緒に食べる時間
一緒に帰り道を歩く時間
そんな些細な時間を二人でこれからも続けていけるんだと
そう思い込んでいた
「一緒に帰るの、やめない?」
その一言がどれほど私の心を深くえぐるように傷つけたか
想像することはできないだろうね
取り繕うかのように丁寧に並べられた
ごもっともとしか言えない理由たち
それが本心なのかわからない
本当は嫌われたんじゃないか
そばにいる時間をできるだけ短くしたいんじゃないか
一緒にいたいと思われてないんじゃないか
不安が私を囲い始める
寂しい
苦しい
つらい
ねぇ、君は私をどう思ってるの?
時が止まったと思った
自分が何を言ったかわからなくなった
どうしてあなたが固まっているのかわからなくなった
しばらくして気づいた
また何かやってしまったんだと
すぐに謝ればよかったんだ
あのとき「ごめんなさい」の6文字さえ言えていれば
それさえできていればもっといい未来があっただろうに
一生悔やむんだろうな
あなたに謝らなかったこと
「…月が綺麗ですね」
満月の夜、溜息とそんな独り言を零す
いつかあなたに伝えられますようにと月に願いを込めて
逃れられない
目の前のこいつから
いくらでも目を背け続けることはできる
けれどそれには相応のツケが回ってくる
今はそれの清算をしないといけない
決して逃れることはできない
だけど
だけど今まで目を背けてきた分
向き合うのが怖い
自分と
この目の前のテキストと向き合うのが怖い
いかに自分ができないやつかを思い知るのが怖い
嫌だ、やめてくれ、現実なんて見たくないんだ…!
全部投げ捨ててどこか遠くに旅に出たい
勉強から逃げ続けていたい
受験など知らんぷりして遊び続けていたい
けれどどうにもこいつらからは逃れられない
「また明日ね」
なんて、そんな他愛のない言葉を交わせるような仲になりたかった