透明人間になったみたい
貴方にも
あいつにも
この人にもあの人も
どいつもこいつも私のことなど見えていないかのように振る舞う
もしかしたら本当に私は透明人間で
誰からも認識されていないのかもしれない
自然と涙が溢れた
私は悲しいんだろうか
それとも悔しいのだろうか
自分自身でも自分を捉えられなくなっていく
透明になっていく
鏡に映る自分の顔が涙でぼやける
涙を拭ったら自分が消えている気がして
怖くて鏡から目をそらして部屋に篭った
布団の中で夜通し泣き続けた
苦しかった
それでも時間はどこまでも無情
目が腫れて涙でべちゃべちゃの私の顔を朝日が容赦なく照らす
いつまでこんな日々が続くんだろう
全て終わってしまえばいいのに
そんなことを考えている私は
自ら命を絶つことなど怖くてできない臆病者なんだ
私が好きなのは本当に貴方なんだろうか
私が好きなのは私の中で出来上がった『理想の貴方』なんだろうか
本当は私は貴方自身を好きなわけではないのかもしれない
実は『理想の貴方』のことも好きじゃないのかもしれない
あなたを好きでいる自分が好きなのかもしれない
恋に恋してる、とでも言うんだろうか
私は本当にあなたに恋してるのかしら
後悔だけが増えていく日々
あの人を傷つけてしまった
あの人に話しかければよかった
この人にこう言えばよかった
この人にこうすればよかった
もっとできたはず
もっと頑張れたはずなのに
また今日も後悔が増える
また今日も過去に囚われる
また今日も気持ちが沈む
そんな日々から離れたい
過去から離れて未来に歩き出したい
どうしたらこの後悔の波に呑まれずに生きていけるのだろうか
いつまでも子供のままでいられたらと思う
早く大人になりたいと叫ぶ自分もいる
けれど時間は無情
みんな同じだけ生きたら同じだけ歳をとる
そういうものだ
でもそれは年齢だけなんだ
時が来たら大人になれるというわけでもなく
子供でなくなるわけでもないんだ
心の中はいつでも子供に戻れるし
いつでも大人ぶることができる
どちらの自分の願いも叶えられるんだ
その時の気分で選べるんだ
愛を叫ぶ、心の中で
何度も、何度も叫ぶ
部屋の隅にホコリのように溜まっていく
どれだけ叫んでも届くことはない
だけれども、留めておくには重たすぎる
だから吐き出す
心の中の防音室で
今日も独り、何度も君への愛を叫ぶ。
何度も、何度も
何度も何度も何度も何度も
数え切れないくらいの君への愛を叫ぶ
好きの2文字で埋め尽くされた防音室
いつの間にか息ができないくらいに溜まっていた言葉のホコリたち
苦しくて、苦しくて
「…好きだよ」
思わず溢れた涙と言葉
それでも君には、届かない