たとえ君との出会いが何かの間違いだったとしても
君と出会えたことを間違いだなんて思わないよ
君がいるこの世界が大好きだから
だからお願い、そばにいて
はらりと、あなたの頬を伝うひと粒の雫
赤く充血した瞳から次々と零れ落ちていく雫たち
なぜだかとても綺麗だと思った
もしも未来を見れるなら
どうしようか
3年後くらいの自分を見てみようか
ちゃんと生きているだろうか
友達や恋人がいたりするんだろうか
家族とは上手くやれてるんだろうか
うまくこのクソみたいな世界の中で生きていけてるだろうか
どうしても不安が頭をよぎる
未来を作る今の私がこんなではだめだと思うけれど
不安の檻に自分を閉じ込めて何もできずにいる自分には
未来を憂うことしかできない
あぁ、自分はここから動く気がないんだ
自分で自分を縛っている
自分で作った設定が自分の首を絞めているんだ
3年後の自分は
この呪縛から逃れることができているんだろうか
そうであってほしいと思いながら
今日も檻の中で演技を続ける
壊そうと思えば簡単に壊せる檻の中で
無色の世界で生きている
誰からも見えていないのだろうか
こちらからはよく見える
行き交う人々の様々な表情が、感情が
彼らの目に映る景色が
彼らの世界は何色なのだろう
この眼じゃすべてが色を持たない
面白みのかけらもない世界しか見ることができない
と思っていた
淡い虹色の、光のようなあの人が現れるまでは
あの人の周りはいつもきれいな色で溢れていた
思わず見惚れた
あの人を見ていると心が洗われるようだった
あの人が見ている世界を知りたいと思った
吸い寄せられるように、気がついたらあの人を眺めている
いつの間にか無色だった世界が
水彩絵具を落としたかのように淡く色づき始めていた
桜散る、春も終わりかけのある日
君と出会ってから見える世界が変わった
灰色の景色は色づき
暗く濁った目に光が差した気がした
まるで桜の花のようにひらりひらりと舞う髪
まるで桜の花のような淡いピンク色の頬
まるで桜の花のように儚く散ってしまいそうな危うさ
そんな君に、恋をした