22日目
深々と更けていく夜
爛々と光るネオンの照らす店
相容れない世界だ
分かり合えない人々だ
この世を心から楽しむ彼等
何処か眩しく見えて
どうしようもなく吐き気がした
薄々と光る街灯の照らす道
これが僕の世界だ
沈々とした静けさに沈む思考に
鬱々とした心地良さを覚えた
21日目
神様だけが知っている
僕がこんな人間だってことを
神様だけが知っている
僕がこんなにも屑だってことを
神様だけが知っている
僕がこんな白昼夢を見ていることを
紙のみぞ知っている
僕がこんな言葉を綴っていることを
20日目
この道の先に何が待っているのだろう
この日々の先に何を成し遂げられるだろう
夢に向かって歩いても
絶望に向かって歩みを進めたとしても
辿り着く先はただ一つ、死だ
僕らの道の果ては死以外には有り得ない
どのように死へと歩みを進めるのか
ゴールテープを切るのか
その違いでしかない
19日目
高嶺の花だった
手の届かない孤高の存在だった
彼女は凛としていて潔癖だった
不条理を理不尽を許せなかった
そんな彼女に憧れるのに時間はかからなかった
誰よりも強く正しいと思っていた彼女
しかし彼女は脆かった
いや、この世界が鉄壁すぎたのだ
彼女の理想を打ち砕くのは容易かった
硝子花はいつしか砕け散っていた
18日目
「正しくあれ」「優しくあれ」
子供の頃はただそれだけで良かった
自分の思う正義を優しさを信じるだけだった
でもある日ふと気づいてしまう
「正しさ」とはなんだろう
「優しさ」とはなんだろう
ニュースで流れていた殺された恋人の復讐殺人
正しくはないと思った
でも優しさだと思ってしまった
そして何よりも誠実だと感じてしまった
もうあの頃のように真っ直ぐな正義は謳えない
だってこの世には完全なる正義などないのだから
「正しさ」も「優しさ」も観測系によるのだから
それでも僕は僕なりに真っ直ぐでありたい